樹脂を溶かして積み重ね、自由な立体物を印刷できる3Dプリンターが手軽に購入できる時代になりました。
実際に購入して使ってみると、開封から1時間ほどで、驚くほど簡単に設定・3Dプリントができました。以下は、実際にプリントしてみたものです。
今回は、購入した3Dプリンター「Finder」の開封と、実際にどんなものがプリントできるのかを、ほんの一部ですが紹介したいと思います。
使用した3Dプリンターについて
今回購入した3Dプリンターは FLASHFORGE の Finder です。見た目は以下のような箱状です。すでに稼働可能な状態のため、自分で組み立てる必要がないタイプです。
FLASHFORGE(フラッシュフォージ) 3Dプリンター Finder(ファインダー) PLA1リール付き
公式サイトはこちら → Finder | 3Dプリンター | フラッシュフォージ
筆者購入時は、セール価格で69800円でした。本体を購入すると、普通のプリンターのインクにあたる、PLA樹脂のロール600gが付属しますので、すぐにプリントを楽しむことができます。
Finder の開封と初期設定
開封後の初期設定は、少しマニュアルと違う部分があり戸惑いましたが、1時間もかからず設定することができました。
基本的には、以下の動画の通りに設定を行います。
個人的につまずいたところを紹介します。
水平出し
まず、水平出しを行うための準備として、プラットフォームの下にある3つのネジを締めます。本体の説明では「ネジを締めてから確認をタッチ」と表示されます。
しかし、動画中では「ネジを回して下まで下げる」と字幕で書かれています。
ネジを締めるとネジの位置は上がりますので、下げるというのはミスだと思われます。実際に、ネジを締める(ネジが上がる方)で問題なく設定ができました。
この準備の次に、実際に水平出しの設定を行います。この処理は 左のネジ → 右のネジ → 奥のネジ という順番で行われます。設定中の場所以外のネジは回さないように注意してください。
例えば、左のネジの調整を行っている時に、右のネジを回してもビープ音がなる場合がありますが、それは誤りです。左のネジを調節中の時は、左のネジだけを回すようにしてください。
樹脂の出力テスト
水平出しの設定後、正しく樹脂が出るかをチェックします。
ここで、いつまでたっても樹脂が出ない場合は、チューブをノズルに差す際に、樹脂がチューブ内に引っ込んでしまった可能性があります。以下のように、かすかに樹脂が出るだけで止まってしまう場合です。
この解決方法は、チューブから長めに樹脂を出した状態で、樹脂を掴んで、樹脂が投入部の奥にあたるまで差し込むことです。チューブを持って接続すると、樹脂が引っかかって奥にはまらない場合があります。
しっかり樹脂が投入部にはまっている場合は、チューブを引っ張っても樹脂が外れません。
実際のプリント
以上の設定を終えると、あとはデータを送信するだけでプリントができる状態となります。
ここで、サンプルデータをプリントするのですが、マニュアルに誤りがあります。
サンプルデータがない問題
マニュアルには、付属してきたUSBメモリーにプリント可能なデータが2つ入っていると書いてありますが、データはありませんでした。
USBメモリーを本体に接続して内部を見てみると…
ソフトとマニュアルのフォルダしかなく、フォルダの中身も、各OS用のファイルが入っているだけで、プリンター本体から読み取れるデータはありませんでした。
mac版ソフトの不具合
仕方ないので、解説動画の通り、専用ソフト(FlashPrint)を使用してサンプルをプリントすることにしたのですが、Mac版は、macOS Sierra 10.12.5 では動きません。しかも、USBメモリーに入っているソフトはバージョンが古いです。
USBメモリーに入っているバージョンはインストール自体は可能でした。
しかし、実行時に以下のエラーが出ます。
最新版(3.17.0)を公式サイトからダウンロードしてみたのですが、これも動きませんでした。
こちらはインストール時に以下のエラーが出ます。
幸い、Windows版は問題なくインストール及び動作が行えましたので、こちらでサンプルデータをプリントしました。
実際にプリントしてみた
サンプルデータにある、ただの箱をプリントしてみました。3Dプリンター本体とUSBでWindowsPCと接続し、データを送信するとプリントが始まります(設定すればWifiでも接続できます)。
不要な土台を外して完成です。プリント時間は15分程度でした。
これで、3Dモデルデータ(.stl)を送信するだけで、自由に立体を作ることができます。無料でダウンロードできるデータをプリントするだけでもかなり楽しめます。
3Dプリンターで出力した花瓶(壺?)にフェルトで作った果物を乗せてみました。
この花瓶のように、すでに出来上がった3Dモデルがダウンロードできるサイトには以下のようなものがあります。
MyMiniFactory – Guaranteed 3D Printable Designs
Thingiverse – Digital Designs for Physical Objects
例えば、建物のカテゴリーには以下のような美しい建築物があります。データと樹脂とプリント時間さえあれば、どんなものでも出力可能です。
替えの樹脂(フィラメント)自体はインクプリンターのインクに比べると安いです。Finder専用の樹脂は、600g(210m)が1ロールとなっています。
色のついている樹脂ロールを使用すれば、好きな色でプリント可能です。
また「HAPPY 3D」という専用のスマホ向けアプリもあり、スマホからWifiで接続して簡単にプリントできます。
Happy 3D – FlashForge 3D Printers
実際にCAD(無料のFreeCAD)を使って自作のモデルを作成する方法については JoyPlot Document で紹介しています。
オリジナルの便利グッズやインテイア、おもちゃなどがつくれると3Dプリンターの楽しみ方がぐっと広がると思います。
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