デスクワークのため、時間があるときはなるべく運動をしようとジョギングするようにしています。
しかし、ジョギングは体に負担をかけるという話も聞きます。
どのような影響があるのか気になったので、ジョギングやランニングの健康効果や危険性などを調べてみました。
走ることが危険だと言われる理由
死亡者数が多い
以下のページの「突然死のスポーツ種目」を根拠にしているサイトを見つけました。
このサイトによれば、ランニング中に死亡(突然死)した人の数は、他の運動よりも多いそうです。(ジョギングではなくランニングです)
しかし、この情報だけでは、ランニングが他の運動よりも危険であるとは言えません。
まず注意が必要なのは、各種目の参加人数が等しいわけではないことです。この表の値は、死亡人数を数えたものであって、死亡率を表しているわけではありません。
ジョギングは他の種目に比べて、参加人数が非常に多いと言えます。そもそもの人数が多ければ、死亡人数が多くなるのも当然です。
また、0〜39歳の一番若い年代に死亡者数が多いことも、体育や部活、マラソンなどの競技などに参加する人数が多い事を考えれば説明ができます。
また、この年代の死亡原因が急性心不全である事からも、運動による負荷だけが原因とは言えないこともわかります。
急性心不全の原因は、心臓疾患がほとんどです。既存の心疾患が悪化することによって急性心不全を引き起こしてしまいます。
急性心不全の症状・原因・治療法|胸の症状からわかる病気一覧
テストステロンが減少
ジョギングが男性ホルモンの量を減らし、それによって筋肉の回復速度が遅くなると言われています。
「ジョギングは長期にわたる軽い運動であり、このような運動はテストステロンの量を減少することが証明されている。」と書かれています
原文: The hidden health risks of jogging – Telegraph
しかし、本の論文の要約を見てみると、血液サンプルを取られた被験者である男性31人はかなり長い距離(64km)を毎週走っている人であることがわかります。
…
we obtained blood samples from 31 men running at least 64 km each week
マラソンのような長期の運動は男性ホルモンを減少させるかもしれませんが、軽く走る程度ならほとんど問題にならない気がします。
メディアによる広がり
1970年代に、中年代の数人がジョギング中に亡くなったことを、新聞各紙が取り上げたことがありました。
“After a few men died while out on a run, various newspapers suggested that jogging might be too strenuous for ordinary middle aged people”
[日本語訳] 「数人の男性が走っている途中で亡くなった後、様々な新聞がジョギングはおそらく一般的な中年の人には激しすぎるだろうと述べた」
メディアに取り上げられたことで「ジョギングは危ない!」という話が広がりました。しかし、これも走っている人全体を見ているわけではないため、すべての人に当てはまるとは言えません。
ジョギングの健康効果
さて、以上のことからジョギングによる危険度は、適度な運動量を守れば問題無いと言えると思います。
ここからは逆に、ジョギングがもたらす健康効果についてまとめたいと思います。
ジョギングのように、酸素を取り入れながら遅筋(持久力がある反面、瞬間的な力の出せない筋肉)を長時間使う運動を有酸素運動といいます。
有酸素運動には、主に以下の効果があることが知られています。
毛細血管を増加させる
長時間運動をするためには、体の各細胞に効率よく酸素を送る必要が出てきます。
体の隅々に酸素を行き渡らせるために重要なのが毛細血管ですが、有酸素運動を1〜2週間程度続けると、毛細血管の数が2倍ほどに増えることが確認されています。
血管系疾患の予防
血流や酸素供給量が増加することで、動脈が柔らかくなり、動脈硬化が予防されます。
もっともありがたい効果が「動脈がやわらかくなる」ことです。血流量や酸素供給量が増すことにより血管の柔軟性や弾力性がよみがえり、脳や心臓などの太い動脈がだんだんやわらかくなってくるのです。これにより動脈硬化を防ぐ、”血管力”を大きく高められるわけですが、この効果はウォーキング習慣が私たちにもたらすいちばんの恩恵と言っていいのではないでしょうか。
寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい
寿命を伸ばす
ランニングのように負荷の高い運動ではなく、ジョギングのような適度な運動は、健康によいとする研究結果が出てきています。
Undertaking regular jogging increases the life expectancy of men by 6.2 years and women by 5.6 years, reveals the latest data from the Copenhagen City Heart study presented at the EuroPRevent2012 meeting.
…
The investigators found that between one hour and two and a half hours a week, undertaken over two to three sessions, delivered the optimum benefits, especially when performed at a slow or average pace.
Regular jogging shows dramatic increase in life expectancy
[日本語訳] 定期的なジョギングは、男性の寿命を6.2年、女性の寿命を5.6年伸ばすという最新のデータを "EuroPRevent2012" でコペンハーゲン市心臓研究所が示した。 ... 調査員らは、週に1時間から2時間半を2, 3回に分けて行うことが最もよく、特に平均か少し遅いくらいのペースが効果的であることを見つけた。
イギリスの国営医療サービスである NHS (National Health Service) も、大人に週に最低2時間半の運動をするように勧めています。
Adults should aim to be active daily. Over a week, activity
should add up to at least 150 minutes (2½ hours) of
moderate intensity activity in bouts of 10 minutes or more –
one way to approach this is to do 30 minutes on at least
5 days a week.
http://www.nhs.uk/Livewell/fitness/Documents/adults-19-64-years.pdf
[日本語訳] 成人は毎日の運動を心がけましょう。週を通して最低でも計150分(2時間半)の適度な強度の運動を10分以上の単位に分けて行うと良い。 一つの方法の例としては、30分の運動を最低週5日行うことである。
脳内伝達物質を増加させる
ドーパミンやセロトニンを分泌し、脳の活性化にも効果があるようです。
Recent research shows that cardio-intensive exercise such as jogging can increase levels of essential neurotransmitters such as dopamine and serotonin that are intimately involved in mood and mental acuity.
The Effects of Jogging on Neurotransmitters | Healthy Living – azcentral.com
[日本語訳] 最近の研究では、ジョギングのような有酸素運動は、ドーパミンやセロトニンのような、ムードや知力に密接に関わる脳内伝達物質を増加させることが示された。
ジョギングはダイエットにも効果的
長く走るなどの有酸素運動は、筋トレなどの無酸素運動よりも体に蓄えられた脂肪をエネルギーとして大量に使えます。
早くエネルギーを消費したいなら、歩くよりも少し走るのがいいみたいです。
「ジョギングは下半身の筋肉を中心に鍛えられる有酸素運動です。“歩く”と“走る”という動作は、基本的に使う筋肉に変わりはありませんが、ダイエット効果においては、ウォーキングよりもジョギングの方が高いといえます。ジョギングとウォーキングを同じ時間行った場合、消費エネルギーはジョギングの方がウォーキングの約2倍です」(パーソナルトレーナー 坂詰真二先生)
ボディメイクのエキスパートが教える! ジョギングのダイエット効果&ポイント | 運動・からだ | ニュース | ダイエット、運動、健康のことならFYTTE | フィッテ
遅筋と速筋
ジョギングでは遅筋を使うと前述しましたが、逆に瞬発的な力を出すための筋肉は速筋と呼ばれます。
遅筋は赤筋、速筋は白筋とも呼ばれますが、これは魚で考えればわかりやすいです。
長距離を泳ぐ魚の筋肉は赤く、瞬発的な力を出す魚の身は白いです。
赤筋の発達した魚では平常の遊泳中は赤筋を,餌を追ったり,敵から逃げる場合のような嫌気的な爆発的遊泳時には白筋を活用することが知られている
財団法人 日本鯨類研究所 鯨研通信 鯨肉に含まれるバレニンについて
ウォーキングやジョギングなどでは速筋を鍛えられませんので、筋肉量は増えません。
筋肉を増やすには無酸素運動をする必要があります。
おしまい
とはいえ、どんな運動も適切な準備をしなければ危険があります。
特に寒い季節は体が硬くなりやすく、急に体を動かすと筋を痛めてしまったりする可能性があります。
また、室内と外の温度差が大きいときなどに無理に走り始めてしまうと血圧が急上昇して血管系の疾患を招くことがあります。
外でのジョギングは天気によって出来ないことがあるので、ランニングマシンがオススメです。テレビを見ながらでも運動できます。
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水分補給も忘れないようにしましょう。