魚の皮はビタミンやコラーゲンが豊富 – 魚の皮の栄養と注意点

最終更新日時 : 2017年9月21日
DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富な魚料理

焼き魚の皮はパリパリして美味しいですが、食べる人と食べない人は分かれます。栄養面から見た場合、魚の皮を食べるのは良いことなのでしょうか。

今回は魚の皮の栄養について紹介します。

魚の皮は身よりもビタミン豊富

実は魚の皮には、以下のようなビタミンが多く含まれています。

  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2

ビタミンA、ビタミンB1は魚の身の部分よりも、皮の方にたくさん含まれているそうです。

肉の部分よりもたくさんのビタミンA、B2が含まれています。
からだを作る、お魚の栄養 – お魚講座WEB教室|熊本県海水養殖漁業協同組合

また、黒い皮にはビタミンB2が豊富と言われています。

皮には、粘膜の健康を保つビタミンA、糖質代謝に重要な働きをするB2(特に黒い皮の魚)が豊富なほか、煮こごりを作るゼラチン質も含んでいます。
魚の部位別栄養学 長崎魚市株式会社

魚の皮にはコラーゲンが豊富に含まれる

魚の皮にはゼラチン質が(コラーゲン)も含まれています。

魚由来のコラーゲンには主に魚皮由来のものと、ウロコ由来のものがあります。魚皮、魚鱗由来のいずれも製造時に酵素や, アルカリを添付したものは、粉末にして他の添加物と合わせてジュースや、錠剤、カプセル商品などとして販売されます(表1、参照)。
間違いだらけのコラーゲン選び 工博(東工大)・国際中医師 石塚 庸三 国際環境専門学校 客員教授

メディカルサプリメント指導士・食育指導士によれば、鮭の皮は化粧品や医療分野も活用されているほどコラーゲン豊富とのことです。

コラーゲンそのものとさえ仰っています。

鮭の皮自体がコラーゲンそのものなのです。
この皮をグツグツ煮るなどの方法で抽出したものは、マリンコラーゲンやフィッシュコラーゲンなどと呼ばれ、健康食品や化粧品、医療の分野などで活用されています。
牛などを原料とした動物性のコラーゲンより、吸収率が高い、純度が高いなどのデータがあり、多くの支持を得ているコラーゲンです。
鮭の皮にある美肌になる栄養成分とは | サプリメント情報満載のサプリ

コラーゲンを食品として摂取した場合の効果については議論がありますが、とりあえず魚の皮にコラーゲンが含まれているようです。

ちなみに、魚の皮に含まれるコラーゲンは吸収率が高いと言われています。

コラーゲンはそのままでは吸収されることはなく、胃腸で消化酵素により分解されて数個のアミノ酸ペプチドになってはじめて腸管吸収が可能になります。だから分解能=吸収能となり、7倍分解能がいい魚コラーゲンが豚より7倍吸収能がいいことになります。

魚皮は柔らかいので加熱と酵素でコラーゲンを完全な形で抽出できます。一方ウロコは固いので加熱や酵素では全く溶けません。ウロコは塩酸で溶かすのです。
コラーゲンの種類と素材価値|新日本橋石井クリニック

魚の皮は環境によっては注意が必要

栄養面だけを見ると、魚の皮を食べることは健康に良さそうですが、その魚が育った環境によっては皮に有害物質が蓄積されている可能性があるといいます。

以下のような Q&A を見つけました。

Q: Is it healthy to eat the skin on fish?
A: Probably not. Both the skin and fat of fish collect toxins that accumulate in the waters of rivers, streams and oceans. These contaminants can also be found in the flesh of fish but not always at levels as concentrated as they are in the skin and fat. For that reason, eating the skin of the fish is not considered healthy. The U.S. Environmental Protection Agency (EPA) advises consumers to remove the skin, fat and internal organs before cooking fish that they’ve caught in the wild. (If you buy a whole fish at a market, it generally comes scaled and gutted.) However, the EPA warns that mercury is found throughout the tissue of fish, so removing the skin and fat won’t help you avoid that problem.
Fish Skin: Healthy or Not? – Dr. Weil

[日本語訳]
Q: 魚の皮を食べるのは健康的でしょうか?
A: おそらく健康的ではないでしょう。
魚の皮と脂肪には、川や海に溜まった毒素が溜まっています。これらの有害物質は魚の身からも検出されますが、皮や脂肪ほど問題になる量ではありません。したがって、魚の皮を食べるのは健康とは考えられません。
EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)は消費者に、自然環境から捕獲された魚の皮や脂肪、内臓は、調理の前に取り除くようにアドバイスしています。(スーパーで買う場合などは既に取り除かれているでしょう)
しかし、EPAは魚全身の細胞から水銀が検出されていると警告しており、皮や脂肪を取り除くだけでは問題解決にはならないかもしれません。

2011年に米国医師が回答されたものです。

日本の場合は、環境が異なるのでこの通りかどうかはわかりません。(水銀のことなど)

ただ、自分で釣った川魚などは注意する必要があるかもしれません。

焼き魚の焦げは避けたほうがいいのか

こんがり焼かれた魚は美味しいですが、焦げた部分には発がん物質であるヘテロサイクリックアミンHCAs)が微量含まれることが確認されています。

食品由来汚染物質は食品中に含まれる糖類やアミノ酸等が高温で加熱加工される際の副生成物です。例えば,今世紀初めにはアクリルアミドが話題になりました。
これらの物質の起源となったのは,1970年代に日本の科学者が,魚の焼け焦げ中に発見した発がん性のヘテロサイクリックアミン類(HCAs)でした。
食品加工中に生成する有害化学物質 ヘテロサイクリックアミンからアクリルアミド

この物質は、アミノ酸を150℃以上で調理すると生じるそうです(農林水産省の公式サイトによると120℃となっています)。

とはいえ、そこまで大量に生成されるわけではないため、直ちに影響があるということではなさそうです。

HCAs は,タンパク質及びアミノ酸を多く含む食品(主として肉類と魚類)を 150℃以上の温度で調理したときに生成します。
食品中の含有実態については,これまで燻製食品や調理した食品など,含有が予想される食品を中心に,発がん性のある 10 種の HCAs のいくつかについての調査が行われてきました。それらの中で食品中における HCAs の存在量は,一般に 0.1~数 ng/g(ppb)と極めて低濃度であると報告されています。
食品加工中に生成する有害化学物質 ヘテロサイクリックアミンからアクリルアミド

毎日食べ続けない限りはほとんど問題にはならないと考えられています。

焦げだけを毎日食べ続けないかぎりは、がんが増えることはまずありません。焦げから抽出した化学物質をネズミに大量に投与した結果、がんが増えたという実験データが大きく報道されたことから生まれた「迷信」です。
焦げを多く食べる人にがんができやすいという疫学データは存在しません。焼肉の焦げも大丈夫です。
中央公論新社 中川恵一 知れば怖くない 本当のがんの話 (2017/1/15)

おしまい

魚の皮には、意外と栄養が含まれていることがわかりました。

魚だけではなく、果物なども皮や皮下に栄養が豊富という話も聞きます。「皮の下」は生物にとって重要な部分ということでしょうか。

釣った魚は寄生虫の心配などがあるので十分な加熱殺菌が必要です。

【天然海洋魚皮由来】マリンコラーゲンペプチド150g
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魚の缶詰なら、皮も骨も食べられます。

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