虫歯にならないための歯の知識 – 歯の磨き方や歯磨き剤の選び方など

最終更新日時 : 2016年11月26日
歯科衛生士と歯ブラシ

今回は、こちらの書籍に取り上げられている歯についての最新の知識(2015年4月出版)を一部と、それに関連して調査した歯や虫歯に関する知識を紹介したいと思います。

図解 むし歯 歯周病の最新知識と予防法

虫歯の原因は菌が作る酸

虫歯の原因は、菌によって作られる酸が歯を溶かすことです。

この酸を作る菌(いわゆる虫歯菌)の種類は複数確認されていますが、最も歯を溶かす原因になる菌が「ミュータンス菌」です。

ミュータンス菌

このミュータンス菌は、糖分を分解してグルカンという粘り気のある物質を作り、歯の表面に張り付いて最近の塊「プラーク」を形成します。

その酸が、歯の表面を覆う最も硬い部分のエナメル質を溶かして穴を開け、歯の内部を侵食していくため虫歯になってしまいます。

エナメル質は人体の中で最も硬い組織と言われています。しかし、菌が作る酸には弱いため、プラークの作る酸に長時間晒され続けると溶かされてしまいます。

さらに悪いことに、プラークを放置してしまうと歯ブラシや抗菌剤でも剥がれないほどに固まってしまいます。この状態を「バイオフィルム」と呼びます。

ちなみに、ミュータンス菌は元々人間の口の中には存在しません

大人の口移しや、会話中の唾液が入り込むなどして感染するのです。

食べ物だけでなく飲み物にも注意

ミュータンス菌は、糖分さえあれば酸を作ることができます。

歯を磨いた後は、ジュースなど糖分の含まれる飲み物は避け、水やカフェインの入っていないお茶を飲むようにすると良いと思います。

カフェインが入っていると、唾液の量が減るため歯には良くないようです。

食事や間食の回数が多いと虫歯になりやすい

食事や間食をする度に、口の中は酸性になります。

虫歯菌が作る酸ではない、食べ物による酸でも、歯の表面を覆うエナメル質からミネラル成分が溶け出します。

しかし、このこと自体はさほど問題ではありません。

唾液には歯を直す効果がある

なぜなら、唾液は口の中を中性に戻し、溶けてしまった歯のミネラルを補充して修復する働きがあるからです。実は唾液にはミネラルが含まれているのです。

口の中が酸性になりミネラルが溶け出すことを脱灰、逆に唾液が溶けたミネラルを修復することを再石灰化と呼びます。

しかし、再石灰化には時間がかかります。頻繁に食事や間食をすると、その度に脱灰が起きるため、ミネラル分が修復された歯を維持する時間が短くなります。

その間に虫歯菌が出す酸にやられてしまう可能性が高くなるのです。

女性の方が虫歯や歯周病になりやすい

どうやら統計的に見ると、女性の方が虫歯になりやすいようです。本書には以下のように書かれています。

世界中のどの国のデータを見ても、ほとんどの年齢層で女性は男性よりむし歯の本数が多くなっています。また、歯周病にかかりやすいのも女性です。これには女性特有の歯の性質や女性ホルモンが深く関係していますので、第4章であらためてじっくり説明します。

男性の方が歯が強い

また、男性が虫歯になりにくい理由は、以下の理由だそうです。

  • 歯が大きい
  • エナメル質が硬い
  • 象牙質が分厚い構造になっている
  • 歯列のアーチが女性よりも大きくしっかりしている
  • 唾液の分泌量が多く、中和力も高い

歯磨きの基礎

歯ブラシ

歯ブラシの持ち方

歯磨きに力は入りません。歯ブラシを鉛筆持ちすると余計な力を入れにくくなるのでおすすめだそうです。

歯ブラシの動かし方

歯ブラシを動かす際は、大きく動かすよりも細かく(1〜2mm)動かす方が効果的です。

歯に直角にブラシを当てることで、歯の表面を綺麗に磨くことができますが、菌が溜まりやすい歯と歯茎の間はブラシを傾けて当てる必要があります。

歯磨き粉の量

歯磨き粉は少し多いと思うかもしれませんが、15歳以上の方なら2cmくらい出して使うのがよいそうです。

歯磨き粉はエナメル質のフッ素の供給源になるため、口全体に行き渡らせるのがいいでしょう。

間違いやすい歯磨きの習慣

歯ブラシを濡らすのはダメ

歯ブラシを濡らすのは間違ったやり方です。本書では以下のように説明されています。

ところで、歯を磨く前に歯ブラシを濡らしていませんか? 実はこれはNG。歯ブラシを濡らすと泡立ちが良すぎて、すぐに吐き出したくなり長時間磨けません。乾いた歯ブラシに直接歯磨き剤をつけて磨けば普段より30秒は長く磨けます。

エナメル質にフッ素を十分塗布するためには、長い時間歯磨き剤を歯につけておく必要があります。このことは、次の「歯磨き後の口のゆすぎ方」にも関わる話です。

口のゆすぎ過ぎに注意

歯磨きをしたあと、歯磨き剤の泡をすっきり落とそうとして何度もうがいをする人が多いですが、これは間違った習慣。せっかくフッ素入り研磨剤を使っても、フッ素が流れ出てしまいます。

この本では、すすぎは少ない水(10ml程度)で20秒ブクブクして終わりにするのがフッ素を最も歯に浸透させる方法だと解説しています。

また、このすすぎ方で不快感が残る研磨剤は良くない研磨剤であるとも指摘しています。

もし1回のすすぎでは泡や研磨剤がじゃりじゃり残ったり、ミントの味が強すぎるといった不快感があるなら、それはあまりよい歯磨き剤とはいえません。歯科医に相談して歯科用の歯磨き剤を使ってみてください。

食後すぐ歯を磨くのが正しい

ネット上では「食後すぐ歯を磨くと歯が削れて危険」と紹介している文献を見かけますが、それよりも放置して菌に酸を作らせ放題にするほうが危険のようです。

糖分や発酵性の炭水化物を口にすると、誰でも口の中は酸性に傾きます。できるだけ早く歯磨きをして、口の中を中和し歯が再石灰化しやすい状態にすることが、虫歯予防には最も効果的だと言えます。その意味でも歯磨きは1日3回、食後すぐ行うのが理想です。

そもそも、歯磨きに力は入りませんから、歯ブラシで削れるというのは磨き方に問題があるとも言えるのではないでしょうか。

また、歯磨き直後30分は、フッ素がエナメル質に作用して歯を強くする時間ですので、飲食は避けるべきと言われています。

歯科でフッ素を塗った時「30分飲食しないでください」と言われた経験のある方もいるかと思いますが、これと同じ理屈です。

菌が増える時間帯

ミュータンス菌などの虫歯菌が増殖するのは寝ている間だそうです。寝ている間は唾液の分泌量が減るのも理由の一つです。

従って就寝前の歯磨きが重要で、心配な方は起床後にも歯を磨くと菌を除去できていいと言われます。

歯ブラシの硬さの選び方

普通は「ふつう」を選びます

「ふつう」でも歯肉が痛んだり、傷付いた場合は「やわらかい」に変えるのがいいそうです。

歯磨き剤の選び方

歯磨き粉 歯磨き剤

毎日の歯磨きの際使う歯磨き剤(歯磨き粉)がいいものであれば、同じ歯磨きでも高い予防効果が期待できます。

歯磨き剤はできるだけフッ素が含まれているものを選びましょう。

日本の歯磨き剤に含まれるフッ素は三種類ありますが、最も短時間でエナメル質に作用するのが「フッ化ナトリウム」です。

「モノフルオロリン酸ナトリウム」はフッ化ナトリウムに比べて作用するまでに時間が掛かるそうです。

目的に応じて、フッ素以外の歯磨き剤の成分(第二成分)を選びます。

成分 効果
キシリトール 虫歯予防
ピロリン酸ナトリウム 歯の着色対策
抗炎症成分 歯周病防止
硝酸カリウム 知覚過敏対策

この本では、低研磨剤・低発泡の歯磨き剤が歯を傷つけず、長く磨けるのでオススメとしています。

近年はミュータンス菌を直接減らす作用のあるフッ化第一スズなどが注目を集めています。

おしまい

さらに詳しく知りたい方は、こちらの書籍をご覧ください。難しい言葉もなく、図解も丁寧でわかりやすい一冊になっています。

図解 むし歯 歯周病の最新知識と予防法

近年エナメル質を人工的に作る研究が行われており、東北大学が実際にエナメル質の形成に成功したと発表しています。

人工的に歯のエナメル質を形成することに成功 〜次世… | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

歯のエナメル質の厚さを制御するメカニズムを解明 ~… | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

いままでは別の物質で埋めるしかなかったエナメル質の治療が変わってくるかもしれません。

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