入浴剤に含まれる成分とその健康効果

最終更新日時 : 2017年1月12日
有効成分たっぷりの温泉・露天風呂

温泉に入ると、体が独特のヌメリ気を持ちます。

これは、アルカリ性の湯に入ることによるものだそうです。

日本には古来より鰻湯治というアルカリ性温泉に入浴する文化があり、入浴中、鰻湯治の皮膚はすべすべしていくらかぬめりを帯びる事からこの名称がついた。また、宮城県の鳴子温泉郷には入浴中に皮膚が特に鰻のようにヌルヌルする事からうなぎの湯と呼ばれる温泉が幾つか存在する。
法政大学生命科学部 皮膚のヌルヌル感と温泉成分の関係について

厳密には、アルカリ成分と皮膚の余分な皮脂が反応して、グリセリンと脂肪酸が生成するためです。

しかし、ただアルカリ性であれば良いわけではなく、やはり温泉成分が関わっているようです。

今回は、お風呂に温泉のような効果を持たせる「入浴剤」に含まれる代表的な成分とその効果についてまとめました。

手元にあった、とある入浴剤に含まれる成分を調べてみました。

入浴剤の成分

入浴剤に含まれる主な成分

入浴剤に含まれる各成分の詳しい効果についてです。

硫酸Na(硫酸ナトリウム)

温泉の主成分であり、入浴剤に入っていることが多い成分です。

温泉の成分を調査した表によると、硫酸イオン(SO42-)が最も多く含まれています。

温泉に含まれる成分の成分表

出典: 法政大学生命科学部 皮膚のヌルヌル感と温泉成分の関係について

硫酸Naは、これを再現するために硫酸イオンを湯に増やす成分といえます。

さらに、湯にナトリウムイオン(Na+)を補充する役割も果たします。

同文献では、うなぎ湯のようにナトリウムイオンが多い方がヌルヌル感が増すことが指摘されています。

したがって、硫酸Naには、皮膚を柔らかくしたり、角質を溶かしたりする効果があると言われています。

洗顔石鹸やシャンプーにもこれが含まれている製品があります。

硫酸マグネシウム

硫酸マグネシウムには体を温める温浴効果があるので、冬用のものに含まれていることが多いようです。

上記の表からわかるように、マグネシウムイオンもうなぎ湯に多めです。

グルタミン酸Na(グルタミン酸ナトリウム)

調味料(味の素など)にも含まれるうま味成分です。

入浴剤として使われるのは、グルタミン酸ナトリウムに塩素の働きを抑える効果があるからだそうです。

もし、入浴剤を入れたお風呂(また、何も入れてない時も)に入ってみて、少しピリピリしたらそれは水の塩素が強い合図。お風呂にうま味成分の入った調味料を一振りするだけでも、お湯がまろやかになり、入りやすくなるそうです。
奥深き、入浴剤の世界 | Trace [トレース]

食品としてグルタミン酸ナトリウムを摂取することには賛否両論がありますが、大量に摂取しない限りは問題ないとされています。

It is actually true that increased activity of glutamate in the brain can cause harm.

It is also true that large doses of MSG can raise blood levels of glutamate. In one study, a megadose of MSG increased blood levels by 556% (5).

However, dietary glutamate should have little to no effect on the human brain because it cannot cross the blood-brain barrier in large amounts (6).
MSG (Monosodium Glutamate): Good or Bad?

[日本語訳]
脳内で活動するグルタミンの増加は確かに害を及ぼす。
大量のグルタミン酸ナトリウム(MSG: Monosodium Glutamate)が血圧を高めることも確認されており、ある研究では大量摂取した場合、血圧を556%まで高めるという結果が出ている。
しかし、日常摂取するような少量のグルタミンでは、人間の脳に影響を与えるほどにはならない。なぜなら、血液脳関門を超えられるほどではないからである。

アスコルビン酸Na(アスコルビン酸ナトリウム)

ビタミンCアスコルビン酸)とナトリウムの結合物質です。

塩素から生じる活性酸素を取り除く効果があるそうです。

ビタミンCについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

皮膚のシミを予防するビタミンについて(ビタミンA、ビタミンC)

リボフラビン

ビタミンBの一種です。着色料としてよく使われるそうです。

油成分

香りづけや保湿成分として使われます。

酸化チタン

着色料です。お湯を白くするものに使われています。

トコフェロール

ビタミンEです。ビタミンEには強い抗酸化作用があることを以下の記事で紹介しました。

アーモンドの栄養と健康効果と含まれる脂肪酸の注意点

入浴剤に使われる場合も、この抗酸化作用によって肌あれの原因となる過酸化脂質の発生を防ぎます

セルロースガム

化粧水・乳液・クリームなどにも使われる乳化剤です。保湿効果を高めてくれるようです。

シリカ

ケイ素のことです。ケイ素が不足すると全身に水分不足の兆候が現れます。ケイ素は保湿成分として入浴剤に使われています。

ケイ素は人体にも必須のミネラルであり、不足すると髪がぱさつく、枝毛が増える、爪が割れる、もろくなる、乾燥肌になる、唇が割れるなど、カラダ全体に水分不足の兆候が現れます。ケイ素は保水する力が優れており、保湿成分として化粧品原料においても注目されています。

ケイ素たっぷりの温泉に入ると、お肌がしっとりと感じるのはこのためです。
今、注目される温泉成分『ケイ素』とは?

炭酸ガス

血行を良くして体を温める効果があるようです。

炭酸ガスは、お湯に溶けると、末梢の血管に入り込んでくるんです。ある程度血管に入ってきて、CO2の濃度があがると、元の状態にもどそうという恒常性が働きCO2を「体外に出そう」という代謝機能が働きます。それで血の巡りが、血流がよくなるんですよ。
「入浴剤って本当に効果あるんですか?」バスクリンのお風呂博士が紐解くお風呂とカラダのより良い関係(後編)|株式会社デサント 公式サイト

入浴剤に問題があるという意見

体に有害なものが含まれている

入浴剤のなかには湯船に入れると、お湯が緑や青、オレンジ色など美しい色に変わるものがあるが、実はこの変化は合成色素によるもので、多くの場合、有害物質のタール色素が使われている。そのため、こうした入浴剤の入った風呂につかると、皮膚の汗腺や毛穴からタール色素が体内に入り、血管にも侵入し、副作用が起こる可能性が出てくる。また、温かいお湯に入り血行がよくなると、皮膚からの吸収力も高くなるのでリスクも増えるだろう。
皮膚から有害物質が侵入? 貼り薬・塗り薬・入浴剤の使用には注意が必要|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS

着色料にどんなものが使われているのか調べて買うのが大事ですね。

温泉の効果自体科学的裏付けはない?

天然温泉の効き目は、正しくは「効能」ではなく、「適応症」と表示される。温泉の効き目は科学的な裏付けがしっかりしていないのが実情なのである。
入浴剤を侮るな。温泉並みの効果が期待できるモノの選び方 – まぐまぐニュース!

顔や髪を洗うときの注意点

入浴剤入りのお湯でも洗うのは大丈夫ですが、最後は入浴剤の入っていない真水で洗い流すのが良いようです。

この湯は洗髪、洗顔にはお使いになれますが、すすぎは清水をお使いください。
なお、家族が入浴した後の湯は、皮脂、角片等の汚染も当然考えられますので、衛生上の観点から、入浴中または入浴後の残り湯での洗髪、洗顔は避けるべきであり、残り湯を洗髪や洗顔に使った時は、清水で充分すすぐことをお勧めします。
洗髪・洗顔への影響|日本浴用剤工業会 – Japan Bath additive Industry Association –

植物にあげちゃダメ

入浴剤を入れた風呂の残り湯には無機塩が含まれているので植物にとっては良くない水です。

おしまい

使われている成分がどんなものか分かれば、それが安全なのか危険なのかを判断することができますね。成分そのものが効くというよりも、心地よさからくる心理的な安心感が体にいいのかもしれません。

実際、お風呂に入ることは精神的にも肉体的にもリラックスする効果が研究結果から明らかとなっています。詳細は以下の記事を御覧ください。

入浴剤に含まれる成分が怖いという方は、風呂から上がるときに入浴剤の含まれていない水で体を流せば、長時間成分が付着することがないので安心だと思います。

シャワーではなくお風呂で得られる効果については以下の記事をご覧ください。

論文から読むお風呂の健康効果と入浴方法

参考

成分【硫酸ナトリウム】の効果や安全性 -ナカミル-

リボフラビンという食品添加物はどういうものか。味噌や入浴剤に入れたりしているが、作用を詳しく教えて欲しい。|生活協同組合パルシステム東京

トコフェロール(ビタミンE)とは | 成分について | 肌ケア情報 | Avene

セルロースガム | 化粧品成分辞典

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