20歳以上の8人に1人がかかる病気 – 慢性腎臓病(CKD)の原因と対策

最終更新日時 : 2017年4月16日
腎臓

慢性腎臓病の症状と健康診断についてです。

慢性腎臓病は身近な病気

腎臓や尿に3ヶ月に渡って異常が確認された場合は慢性腎臓病と診断されます。

国際的にはCKD(Chronic Kidney Disease)と呼ばれます。

実はこの病気、患っている人がかなり多いということがわかりました。

年齢 罹患率
20歳以上 8人に1人
60歳以上 4人に1人
70歳以上 3人に1人

高齢になる程患者の割合が増えるのは、加齢による体の機能の低下のためです。

特に40代以上になると急激に増加するそうです。

慢性腎臓病(CKD)とは,慢性に経過するすべての腎臓病を示します.日本全国に1.330万人(20歳以上の成人8人に1人の患者さんがいると考えられ,新たな国民病ともいわれています.誰もがかかる可能性のある病気です.
新潟大学 コアステーション 医歯学系附置 臓器連関研究センター 5つの健康習慣は,慢性腎臓病を予防します!

慢性腎臓病の症状

腎臓の働きは尿を作って体の余分な水分・塩分・老廃物などを排出することです。したがって、腎臓の機能が低下すると、次のような症状が出てきます。

老廃物や塩分が十分に出ていかず毒が体に溜まる

その結果、以下の症状が出てきます。

  • 体のむくみ
  • 体のだるさ
  • 息切れ

夕方のむくみは健康な人でも起こることがあるのですが、朝から体がむくむという場合は注意が必要です。

塩分が溜まるので高血圧になる

他の血管の病気などを併発してしまう可能性があります。

骨が脆くなる

ビタミンDは様々な食品に含まれていますが、これだけでは作用しません。体内に入ると、肝臓と腎臓で活性型に変化して初めて作用出来るようになります。

腎臓の構造と働き:腎臓のその他の働き:大阪府立急性期総合医療センター腎臓高血圧内科

ビタミンDが体に有効な形になるのが腎臓であるため、腎臓の機能が低下すると骨にも影響が出るということになります。

貧血の原因になる

腎臓では、赤血球をつくる働きを促進するエリスロポエチンというホルモンが作られます。

腎機能が低下すると、このホルモンも作られなくなります。

慢性腎臓病の原因

食生活

  • 糖尿病
  • メタボリックシンドローム

生活習慣

  • 喫煙
  • 運動不足

どうやって見極める?

自覚症状は…

体のむくみが取れない場合や、水分を取っているのに尿の色が濃い(紅茶色)、泡が立ちやすいという場合は注意が必要です。

色が濃いのは血液が出ている証拠で、泡が立ちやすいのはタンパクが尿に含まれている証拠です。

しかし、これらは腎臓の機能がかなり悪くなってからでないとはっきりとはわからないそうです。

健康診断

早期発見のためには、尿検査・腎臓の働きを調べること、つまり定期的な健康診断が重要です。

腎臓の機能が60%まで低下するとCKDと診断されますが、機能が30%まで低下しないと症状がわかりにくいそうです。

タンパク尿が出ていることが最もわかりやすい基準ですが、前述した通り、タンパク尿が出るのは腎機能がかなり下がってからです。なので、CKDは発見されにくい病気なのです。

eGFR

eGFRとは推算糸球体濾過量のことで、腎機能をはかる国際的な指標です。

糸球体とは、腎臓の中にある毛細血管の集まりで、糸球のように丸まっていることからこう呼ばれます。この糸球体が血液中の老廃物を濾過して原尿(尿の元)を作ります。

糸球体で濾過される正確な量はGFR(糸球体濾過値)ですが、これを測定するのは煩雑で手間がかかる場合が多いため、そのおおよその推定値として、血液検査のクレアチニンの値からeGFRが計算されます。

クレアチニンは筋肉に含まれるクレアチン(クレアチンリン酸)が、エネルギーとして使われた後にできる老廃物のことです。

eGFRが60以下(単位はccですが、腎機能の%だと考えてよいそうです)になると腎臓病に注意です。

人工透析

腎臓が正常に働かなくなると、機械を使って血液から毒素を抜かなければならなくなります。

これを人工透析と言います。人工透析は週3回、4~5時間しなければいけないので、生活が大きく変わってしまいます。

参考

飛べサルギャラリー ホールB 水曜 「協会けんぽ健康サポート」

慢性腎臓病(CKD)って?|知ろう。ふせごう。慢性腎臓病(CKD)

広島大学 エキスパート患者会 腎臓の働きと検査

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