なぜ夜遅い食事は肥満と高血圧の原因となるのか

最終更新日時 : 2018年5月1日
肥満な猫

食事の時間が遅いのは健康や体型に良くない影響を与えるという話を聞いたことがあるかも知れません。

以下では、夜遅い食事が健康に悪い理由とその影響について紹介します。

夜遅くに食事をとる危険性

遅い時間に食事を取ることが問題である理由についてです。

摂取したものがそのまま脂肪になる

夜中はエネルギーが消費されない

朝は少し多めに食べたとしても、そのエネルギーは一日の活動の中で消費されるので問題にはなりません。しかし、夜遅くに食べたものは寝ている間ほとんど消費されず、ただ脂肪として蓄積されます。

特に、昼から何も食べていないというような食事と食事の時間が長くなってしまっているときは、脳が栄養不足であると誤認してしまい、体に脂肪をため込みやすい状態なっています。この状態で夜にたくさんものを食べてしまうと大量に脂肪がついてしまいます

肥満遺伝子 BMAL1 の働き

夜に脂肪が付きやすいのは消費量が少ないことだけが原因ではありません。

体内には BMAL1(ビーマル・ワン)と呼ばれるタンパクがあります。BMAL1の働きは、

  • 体内時計の調節機能
  • 脂肪を作ってため込むための酵素を増やす

と言われています。

BMAL1が体内に存在する量は時間帯によって変わります。昼は少なくなり、夜に増加する性質があり、午後10時から午前2時頃が最高で、最も少ない午後3時の約20倍になると言われています。

よって、深夜はBMAL1増加により脂肪を溜め込みやすい状態となっています。

「BMAL1」は研究していくうちに、脂肪細胞を作っていく時の重要なタンパク質だと分かりました。つまり、脂肪を作ってため込むための酵素を増やす働きをするのです。しかも体内リズムと密接な関係を持ち、時間帯によって増減する。いわば脂肪蓄積の司令塔の役割を果たすもので、昼間は少なく、夜になると増えることを明らかにしました。特に1日のうち午後10時から午前2時頃が最高で、最も少ない午後3時の約20倍に達する。つまり「夜遅く食べると太る」ことが分子レベルで分かったのです。
薬学部の研究 ハイテク・リサーチ・センター整備事業インタビュー|日本大学薬学部

昼と夜の区別ない生活をしているとメタボになりやすいことも解明されています。

その理由は、BMAL1の増減は太陽光と関係があるとされており、朝日を浴びるなどをしないで生活すると BMAL1 が夜だと勘違いして出っぱなしになったりすることにあるそうです。

例えば、看護師やドライバーなどシフトワークをしている人は、肥満からメタボになりやすいという統計も出ています。

脂肪を体に溜め込まないためには、午後10時までに食事を済ませ、規則のある生活をするということが重要です。

内臓が休まらず睡眠効果が低くなる

夜遅くに消化に時間のかかるものを食べてしまうと、寝る時間になっても体内に消化されない形で残り続けます。これによって消化器官が休まらず、体に負担がかかります。

また、脳が睡眠に入っても胃腸は働き続けるため安眠ができず、翌日に疲れが現れる恐れがあります。

夜遅くに食べて良い食材

どうしても夜にお腹が空いてしまう場合は、以下のような食品であれば消化がよく体への負担が少ないようです。

カロリーが低い食材

野菜・きのこ・卵・豆腐などをできるだけ油を使わずに調理したものは消化に良いので内臓に負担がかかりにくいそうです。卵は栄養バランスもいいので、夜食べ損ねたという場合にさっと食べて栄養補充ができますね。

スープ類

消化にいいので体内に残ることがないです。

高血圧が健康に良くない理由

肥満は高血圧につながります。よく高血圧は病気の元になると言われますが、なぜ血圧が高いことが病気の元になるのでしょうか。高血圧による健康への影響と症状についてです。

高血圧は心臓にも負担がかかる

血管や心臓に異常が起きる

高血圧の状態が続くと、常に血管に負担かかり動脈が傷みやすくなります。また、高い圧力で血液を送り出さなくてはならないため、心臓にも負担がかかります。

この強い力で血液を送らなければならない状態が続いてしまうと、心筋(心臓の筋肉)が増え、心臓が大きくなります。これは心肥大と呼ばれる状態です。

筋肉がつくことはいいことのように思えますが、心筋が肥大して収縮力が弱くなると、心不全の状態が起こりやすくなります。

血管も高い圧力に耐えるために、血管壁を厚くしていきます。これにより動脈硬化が起こりやすくなります。動脈硬化によって血管の弾力性が失われるため、血液の流れが悪くなります。

高血圧は、上記のように心臓と血管に異常を引き起こします。その結果、血液を多く必要とする脳や臓器に悪影響を及ぼします。

生活困難となる病気になりやすい

脳や心臓など、生きていくために特に重要な臓器に悪影響があるので、治っても後遺症が残ることが多いようです。

はっきりした自覚症状がなく、気付く頃にはかなり悪化した状態であるため、最悪の場合は急死にありえます。

特に怖いのは脳卒中心筋梗塞です。

高血圧を予防するには

塩分を控えた減塩食

高血圧予防の基本は減塩と言われています。よって以下のような食事は危険です。

  1. 麺類の汁をすべて飲む
  2. 鍋料理の煮汁そのものに味付けをする
  3. 外食・スーパーの惣菜やインスタント食品が多い

ちなみに、ポテトチップスは塩分高めかと思っていたのですが、調べてみると意外に少なかったです。カルビーの「うすしお味 60g」に含まれる塩分は 0.6g だそう。

カリウムを摂取

カリウムは体内の余分な塩分(ナトリウム)を体の外へ排泄することによって血圧を下げることがわかっています。

牛乳、ほうれん草、バナナ、納豆、ひじきなどがオススメです。

体を動かす

高血圧対策として好ましい運動は有酸素運動で、例えば、散歩やジョギング、サイクリング、水泳などです。ラジオ体操なども効果があります。

逆に、筋力トレーニングや短距離走のような無酸素運動は、高血圧に対してはあまり効果がないようです。

無酸素運動よりも有酸素運動の方が脂肪をエネルギーとして使用しやすいためです。

血圧を測るタイミングは?

一日で最も血圧が高いのは起床後30〜60分以内だそうです。そのときの値を知っておくのが良いでしょう。

何度も頻繁に測ってしまうと、どんどん本来よりも高い値が出てしまうので、1、2回にしておくのがいいようです。

また、尿意があるときは交感神経が緊張して値が変わるそうなので、排尿後が良いでしょう。

まとめ

夜遅く食べることは脂肪を溜め込みやすく、肥満になる危険性があることがわかりました。肥満は高血圧や糖尿病の元になります。

自覚症状があまりないというのが高血圧の怖いところです。運動はあらゆる病気に対して有効です。

参考

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