阿寒湖で開催された第42回マリモ・シンクロナイズド・スイミング世界選手権において、史上初めて「完全なるフラクタル構造」が水中に出現した。主役となったのは若手有望株の緑川毬男(直径8cm)率いるチーム『藻・モ・ルネッサンス』。彼らは音楽に合わせ、互いの微細な毛を絡め合うという禁じ手の連携技を披露。水中で展開されたあまりに緻密で幾何学的な陣形は、人間の視覚処理能力を完全にオーバーロードさせ、観戦していた国際審判員たちが次々と失神し、水底に沈むという未曾有の事態を招いた。大会運営側は「美しすぎて脳がバグった」とコメントしている。

本来マリモは「ただそこに浮いているだけ」という静的な美学を追求する生物であり、動くこと自体が伝統への背信とされてきた。しかし、今回の演技は既存の回転競技とは一線を画し、マリモ同士が磁石のように引き寄せ合い、まるで一つの巨大な結晶体のように振る舞う新次元のスポーツとして注目を集めている。専門家の分析によると、彼らは光合成の副産物である微小な気泡を絶妙に配置し、湖面から屈折して見える光の乱反射を利用した「視覚的催眠術」を駆使していた疑いがあるという。

現在、湖畔には「自分も脳をバグらせたい」と願う観光客が押し寄せ、湖周辺は交通麻痺状態となっている。また、気絶していた審判員たちが目を覚ました際に一様に「緑色の曼荼羅が見えた」と宗教的な発言を繰り返していることから、世界マリモ連盟は今後の演技において、あまりに高尚な幾何学模様の構成を禁止する緊急措置を検討中だ。今後は「どれだけ無骨で不格好に揺れられるか」という技術点が重要視される見通しとなっている。