球体アスリートたちの間で今、最も熱い注目を集めている新作タイトル『全自動・光合成レーシング』にて、深刻な走行トラブルが多発している。本作は、プレイヤーが自らの緑色のボディーを転がし、日光の照射角度をリアルタイムで計算して加速するシミュレーション系レースゲームだが、今週に入り、特定のカーブで「摩擦係数ゼロの滑走」が発生するバグが報告された。これにより、多くの選手がコース外へ勢いよく飛び出し、湖底の砂利に埋まる「座礁事故」が相次いでいるのだ。

開発元の『球体物理演算ラボ』は、この事態を重く見て緊急パッチを配布したが、なんとその修正内容が「重力を3倍にする」という力技であったため、プレイヤーからは「もはや光合成どころか沈殿運動の練習メニューだ」と困惑の声が上がっている。本来であれば日向ぼっこを楽しみながら爽快に転がるはずのゲーム性が、今や重圧に耐えながら耐え忍ぶ過酷なサバイバル競技へと変貌を遂げた。トッププロたちはこの修正を逆手に取り、あえて低速で転がる『重力無視・沈殿ドリフト』を編み出すなど、早くも新戦略の開拓に余念がない。

本件の背景には、昨今の球体ゲーマー界における「スピード至上主義」へのアンチテーゼが存在する。かつては爆速記録が正義であったが、今作をきっかけに「いかにして無駄な動きを省き、美しい姿勢で日光を浴びるか」を競う『優雅な光合成スコア』という新たな指標が注目され始めている。重力パッチによって速度が鈍化したことで、結果的にコースの景観を楽しむ余裕が生まれ、一部のヘビーユーザーからは「むしろ今の方が精神衛生上良い」との評価も得ているようだ。

今回の座礁騒動に対し、ネット掲示板では「またしても重力による不条理か」「運営は我々を泥の中に沈めたいらしい」といった嘆き節が続出している。一方で、新戦術の開発に成功した層からは「重力3倍の世界で華麗にスピンを決める快感は、かつての爆速RTAでは味わえなかった中毒性がある」と熱狂的なコメントも寄せられた。界隈を巻き込んだこの混乱は、次期アップデートで導入予定の『全天候型・流動泥濘マップ』にて、さらなる混沌を生むことが予想されている。