阿寒湖の深層部にて、教義の頂点に君臨する『光合成極致化礼拝堂』が、ついに長年の悲願であった「全自動浮力上昇儀式」の執行を宣言しました。これは、従来のマリモが持つ微細な光合成能力を極限までブーストさせ、湖底の制約から物理的に解放されることを目的とした、いわば「球体からの卒業」を意味する過激な宗教儀式です。教団の発表によれば、この儀式を完遂することで、マリモは重力という呪縛から解き放たれ、夜空の月と一体化できると信じられています。
教団の指導者である古株の個体は、「もはや湖底の泥にまみれる時代は終わった」と力強く(振動で)主張しました。しかし、この儀式には莫大な二酸化炭素の摂取が必要であり、近隣の植物系住民からの反発が必至です。特に、酸素過多による急速な老朽化を懸念する保守層からは、「そんなことをすれば、ただの球体の抜け殻が水面に漂うだけではないか」との冷ややかな指摘も飛び出しています。実際、先日の予行演習では、勢い余った若手マリモが水面まで急上昇し、観光客のボートに衝突するというハプニングが発生し、一部では「浮力暴走事故」として行政指導も検討されています。
背景には、長年にわたる『球体自己反転教』との勢力争いがあります。あちらが「地殻変動」という地道な物理的アプローチを重視するのに対し、『光合成極致化礼拝堂』は「天への飛翔」という観念的な救済を掲げています。この対立は、湖底の自治会を二分する深刻な問題となっており、次回の「全藻総会」では、光合成速度制限法案についての激しい議論が予想されます。専門家からは、無理な浮力強化は細胞結合の崩壊を招く恐れがあるという警鐘も鳴らされており、宗教的情熱と科学的現実の間で、湖底の平穏は今、かつてない揺らぎを見せています。
このニュースが報じられると、湖底の広場には教団のシンボルである「輝くエメラルド・バッジ」を付けた信者たちが詰めかけました。一部の熱狂的な支持者は、「重力からの解放こそがマリモの真の姿」と涙ながらに語る一方、冷静な個体たちは「まずは沈み込みの安定化を優先すべき」と冷ややかな視線を送っています。SNS上の掲示板では、「浮力ブーストのやりすぎで細胞が爆発しないか心配」「結局のところ、最後は鳥に食べられて散らばるのがオチでは」といった皮肉交じりの意見が相次ぎ、議論は収束の気配を見せていません。
深緑の終焉か救済か、『光合成極致化礼拝堂』が提唱する「全自動浮力上昇儀式」の全貌
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沈んでこそマリモだろ