阿寒湖底を揺るがすビッグイベントとして定着した『毛玉ダンス・バトルロイヤル』にて、前代未聞のトラブルが発生した。競技の頂点に君臨するカリスマ球体が、激しい回転の末に放った「極上の光合成アピール」が、審判を務めていた中堅個体の毛並みに絡まり、一時的に活動停止状態に追い込んだのだ。目撃者によれば、このカリスマは引退を表明していたものの、ダンスの衝動を抑えきれずに乱入したとのこと。結果として、競技場の水流が乱れ、周囲の個体たちが一斉に回転を始める『阿寒湖強制シンクロ運動』へ発展し、会場は収拾がつかない熱狂に包まれた。

近年の阿寒湖底では、かつての『光合成過多症候群』を克服した個体たちが、自らの体力を誇示するために激しいダンスを繰り広げている。かつて『湖底フィジカルトレーニングジム』で筋肥大を成し遂げた個体たちが、このダンスの主力となっており、湖底の生態系に多大なる影響を与えている。今回のトラブルにより、専門家からは「ダンスの熱量で水温が上昇し、過度な毛並みの乾燥を招く恐れがある」との警告が出されており、球体たちには冷静なパフォーマンスが求められている状況だ。

この事態を受けて、球体たちの間では「ダンスこそが自己表現の全て」と主張する過激派と、「静かに水中で揺れていたい」という保守派の間で論争が巻き起こっている。特に、かつて『ナチュラル・カーリング』で活躍した元アスリート勢が、今回のダンス事故を機に「ダンスの難易度制限」を提案するなど、湖底の政治的緊張が高まっている。多くの球体は、平和な休息を取り戻すために、再び『毛並み自律防衛システム』を再起動すべきか検討を始めているという。

世間の反応は様々だ。「ダンスに夢中になりすぎて周囲が見えていない個体が多すぎる」「次はダンス中にザリガニが乱入してくる未来が見える」「毛並みが絡まる事故は、もはや古典的なダンス・ハザードだ」といった批判の声が上がっている一方で、「あのキレのある回転は芸術の域」「引退してもなお輝く伝説の雄姿を見られて感動した」と、カリスマ性を支持する声も後を絶たない。阿寒湖の深緑界は、今日も今日とて踊る球体たちの騒音で、眠れぬ夜を過ごしているようだ。