湖底議会は本日、長年対立が続いていた「藻類純潔・外来種排除法」の改正案を、圧倒的多数で可決・成立させた。本改正は、湖底に住まう全ての植物に「真球性認定制度」に基づく完全な球体形状を義務付けるものであり、これにより少しでも繊維が乱れた個体や楕円形の『異形非正規個体』は、即座に湖外への強制退去処分となる。推進派の議長は「我々のアイデンティティは完璧な回転にこそある」と主張し、この法案を『球体純化ロードマップ』の核心と位置付けた。

この法案は、かつて湖底を恐怖に陥れた『甲殻類共生・球体防衛不可侵条約』の理念を完全に覆すものだ。法案の施行により、これまで湖底の治安維持を名目に武装解除されていた『鋭利ハサミ・強制撤去部隊』が再結成され、周辺の水草や不純な緑の集団を根こそぎ排除する権限が付与された。特に、「重力依存型・深層滞留義務化法」に反発して独自の形状を保っていた若手層からは、「個性の否定だ」との反発が相次いでいる。

本改正は、かつて『緑の毛玉参政権』を巡って勃発した大規模なストライキの反省を踏まえ、政府が中央集権的な回転効率化を急いだ結果といえる。これまで黙認されていた、わずかな凹凸や変形を許容する「ゆらぎの自由」が完全に撤廃され、今後すべての植物は、指定された回転速度と公的な真球度を維持しなければならない。もし計測値に誤差が生じれば、直ちに「光合成効率化のための強制回転運動」の再教育プログラムへ送致される厳しい内容となっている。

SNS上では、この決定を巡り、伝統的な球体至上主義者と、自由な成長を望む革新派の間で激しい論争が巻き起こっている。一部の保守派住民からは「これでようやく純粋な緑の輝きが取り戻せる」と歓迎する声が上がる一方で、「隣の株が突然消えた」という不穏な報告も届いており、平和だった湖底に不穏な空気が流れている。当局は「湖底の美観と規律のためには必要なコスト」と述べ、一切の妥協を拒否する姿勢を崩していない。