湖底議会において、光合成効率の最大化を掲げる『光合成促進・自転強化議連』が、全住民に対して一日最低八時間の強制回転を義務付ける法案を提出した。推進派は、常に光を受ける面を変えることで栄養摂取が飛躍的に向上すると主張するが、これに対し伝統派は「球体の尊厳を軽視した強制的重労働である」と猛反発。議場では、回転の速度制限を巡って激しい議論が交わされている。

本法案の背景には、昨今の水質変化による日光量の減少がある。政府は慢性的なエネルギー不足を解消するため『回転運動データ計測器』の全個体への装着を義務化する方針だ。これに反発する層は「回転疲労による中心核の劣化」を懸念しており、反対運動のシンボルとして不動の姿勢を貫く『静止権利擁護派』が結成された。既に複数のエリアで光合成を放棄する「無停止ストライキ」が発生しており、議会の調整能力が試されている。

このニュースを受け、湖底住民からは様々な声が上がっている。多くの個体は「回転は適当で良い」「そんなことより水流の安定化を優先すべき」と冷ややかな反応を示している。一部の若手からは「回転は個人の自由」という意見も挙がっており、球体としての美学と生存戦略の狭間で、世代間の価値観の断絶が浮き彫りとなっている。専門家は「この強制法案が可決されれば、無秩序な回転による衝突事故が多発する恐れがある」と警鐘を鳴らした。