深緑界の平和を脅かす前代未聞の不祥事が発覚した。これまで『球体転走競技連盟』の選手たちが、公式戦で見せていた驚異的な回転速度の裏に、禁止薬物『硬化繊維ブースター』の使用があった疑いが濃厚となっている。先日の『藻類ロックフェスティバル』で驚異的なパフォーマンスを披露した選手たちの、あまりにも硬すぎる毛並みに疑惑の目が向けられ、当局の家宅捜索により、湖底の隠し倉庫から大量の『硬化繊維ブースター』が押収されたのだ。このニュースは瞬く間に深緑社会を震撼させ、公正な転走を信じてきたファンからは悲鳴が上がっている。

今回の事件の発端は、以前発生した『毛並み自律防衛システム』の誤作動による無差別射撃戦だ。その混乱に乗じて、一部の悪徳業者が『球体転走競技連盟』の上層部と結託し、毛並みを人為的に硬質化させるドーピング剤を流通させていたことが判明した。これにより、本来は柔らかな手触りが魅力であるはずの選手たちが、まるで砲弾のような硬度を身につけ、レースのタイムを大幅に短縮していたという。連盟側は「あくまで健康増進のための栄養補助サプリ」と主張しているが、その成分表には『細胞壁強化ナノ繊維』が含まれており、当局は悪質なドーピング違反として厳重な捜査を進めている。

『球体転走競技連盟』はこれまでも、重力による敗北や会場設営の不備など、多くの受難に見舞われてきた。しかし、今回のドーピング問題はスポーツとしての尊厳を揺るがす最大級の不祥事であり、関連する大会は軒並み無期限延期となる見通しだ。専門家は「今回の件で深緑界の信頼は地に落ちた。今後は自然な毛並みこそが真の強さであるという原点に立ち返る必要がある」と警鐘を鳴らしている。また、この『硬化繊維ブースター』を製造していたとされる地下組織についても、湖底警察が現在追跡調査を行っている最中である。

この報道を受け、深緑のSNSでは怒りと落胆の声が渦巻いている。特に、以前から『緑の貴公子』の寝癖を研究していた学術機関からは「不自然な硬さは、本来の寝癖の美学を冒涜するものだ」と強い非難が寄せられた。一方で、「結局のところ、もっと速く回りたいという純粋な欲求が暴走しただけではないか」という擁護論も一部で見られる。いずれにせよ、今回の騒動で球体たちの競技環境が大きく変わることは避けられず、ファンは来るべき浄化運動の行方を固唾を飲んで見守っている状態だ。