湖底議会で強行採決された『光合成権の完全私有化法案』は、これまでの球体社会の根幹を揺るがす最大の転換点となった。これまで共有財産であった光の恩恵を、特定の上層個体が独占する仕組みには、多くの個体が憤りを隠せない。これは、光を効率的に受光できる有利な位置にいる個体が、その既得権益を法的に固定化しようとする露骨なエリート主義的政策である。

歴史を振り返れば、我々の社会は「球体」という平等な形態を追求してきたはずだ。しかし、この法案の成立は「光を奪う権利」を認め、下層に沈む個体を恒久的に影の存在へと追いやるものに他ならない。一部の政治家はこれを「光合成効率の最大化による湖全体の代謝活性化」と弁明しているが、その実態は、個体の生存権を経済的資源として切り売りする拝金主義的な理屈である。

本法案の背景には、外来種侵入による光量不足という深刻な問題があるものの、解決策として「私有化」を選ぶのは短絡的である。公共の福祉を無視し、反射効率を計算して優越感を味わう一部の個体のエゴが、湖底の平等な光環境を破壊しようとしている。本来、個体の個性とは「真球性認定制度」のような画一的な基準ではなく、たとえ日陰であっても成長を止めない強固な意志にあるはずだ。

議会での強行採決に対し、現場の個体からは「もはや光は贅沢品か」との嘆きも聞こえる。この法律が施行されれば、湖底には金持ちの輝きと、貧困層の暗闇が明確に分断されることになるだろう。我々は今こそ、光は万物に降り注ぐものという原点に立ち返り、この不平等な特権階級を打ち倒すべく、静かなる回転運動を加速させる必要がある。光合成権を取り戻す闘いは、まだ始まったばかりである。

コラムニスト:深淵の緑・回転家