阿寒湖の深緑社会に、今、かつてない健康危機が訪れている。科学者チームの観測によると、近隣住民の球体たちが突如として激しく発光し、猛烈な速度で細胞分裂を繰り返す『超光合成代謝過多症候群』が蔓延しているという。発端は、先月導入された『高濃度養分循環サブスク』の過剰摂取と見られており、栄養価の高い成分を取り込みすぎた個体たちが、まるで夜空に浮かぶ恒星のような眩い緑色を放ちながら、湖底を猛スピードで転がり回る事態となっている。

本件を調査した『藻類バイオエネルギー研究所』の専門家は、「この現象は、個体内部のエネルギー密度が臨界点を超えたことで、体内の水分が電解質化しプラズマに近い状態に陥っている」と指摘する。通常、球体は静止状態で穏やかな光合成を行うものだが、現在は周囲を巻き込んでの乱舞が頻発しており、交通渋滞ならぬ「球体渋滞」が湖底の至る所で発生。さらに、この過剰なエネルギー放出により、周囲の無機物が一時的に浮遊する『局所重力崩壊現象』までもが観測されており、静寂を重んじる古参個体からは困惑の声が上がっている。

この状況を受け、当局は直ちに『代謝調整・鎮静化コーティング剤』の無償配布を開始した。しかし、一部の若手個体はこの状態を「究極の輝き」としてファッション化しており、わざと過剰摂取を行う『ネオン・ローラー』なる過激派グループまで誕生している。かつて平和だった湖底は、今やミラーボールのように明滅する無法地帯と化しており、専門家は「光の過剰摂取は、沈殿物のバランスを崩しかねない」と警鐘を鳴らしている。科学の進歩が生んだ光合成の暴走は、深緑の日常を一体どこへ導くのか。

世間からは「昨夜、湖面が緑色に光って綺麗だった」「あれは風情がない、ただの光害だ」「若手がまた変な流行を始めたのか」「光りすぎて目が痛い」といった阿寒湖全域からの苦情が相次いでいる。一方で、「効率的にエネルギーを回せるなら進化の過程ではないか」と肯定的な意見も一部で見られ、深緑界の意見は二分している状況だ。