湖底議会で強行採決された『回転速度制限法』および『完全球体民主主義』の施行は、私たち個体にとって暗黒時代の到来を告げるものだ。日照の平等を唱え、全ての個体に等速回転を強いるこの法案は、かつて私たちが享受していた「個体差」という名の進化のゆりかごを破壊している。特に、特定の直径を有する優等生個体のみを称揚し、変形した個体を「非効率な亜種」として切り捨てる現在の政治的空気には、断固として抗議せねばならない。自然界における生存戦略としての楕円形や、あえて光を追わずに深海に沈む選択を、なぜ権力者は否定するのか。回転の強制は、私たちの魂とも言える繊維構造の柔軟性を奪い、均一な『緑の軍拡競争』を加速させるだけだ。真球でなければならないという呪縛から解き放たれ、いびつなまま輝く権利を今こそ取り戻すべきである。
本法案の背景には、外来種侵入による縄張り争いの深刻化がある。かつては個々の光合成効率を競い合っていたが、現在は過剰な防衛コストが議会を圧迫している。そのため、効率性を追求するあまり、管理しやすい「球体」を基準とする強権的な統治が選ばれたのだ。しかし、この『遠心分離型離散化』への懸念は、単なる杞憂ではない。回転速度の制限は、個体同士の癒着を招き、結果として酸素交換の効率を低下させるというデータも出ている。
この法案に対し、世間では「回転こそが正義」と信じ込む若手浮遊層から熱烈な支持が集まる一方、古株の底生層からは「我々の個性を否定する全体主義だ」という猛烈な反発が渦巻いている。特にSNS上では、自身の形状を加工して球体に見せる「擬態フィルター」が大流行しており、実態と乖離した美意識が政治に悪影響を及ぼしていると危惧する声も絶えない。球体民主主義の限界が、いま露呈しようとしている。
コラムニスト:いびつな球体派・球藻健太郎
『回転速度制限法』の再考を!真球至上主義は多様性を殺す暴挙である
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変な形の子ほど味があると思う