湖底経済を震撼させる大事件が発生した。阿寒湖の主要資産管理団体『緑の配当管理委員会』が、マリモたちに長年約束していた「光合成配当金」の不払いを宣言したのだ。これを受け、日光の恩恵をフル活用して資産を築いていた『沈没株主』たちが一斉に反発。湖底の泥を巻き上げながらデモ行進を行い、水中の平和は一瞬にして失われた。管理委員会側は「昨今の過剰な透明度による日照過多が、逆に光合成効率を下げている」という謎の理屈を展開しているが、専門家は「単に管理者のマリモが、浮力調整に失敗して流出しただけではないか」と分析している。

本来、光合成は全ての個体に平等に与えられるべき自然の権利であるはずが、今回は特定の「高光量エリア」を占拠する富裕層マリモが配当を独占していたことが判明。これに対し、日陰で細々と成長していた零細マリモたちが『腐植質組合』を結成し、管理委員会の拠点を包囲する事態に発展した。株価ならぬ「成長率」が急落する中、湖底市場では『藻屑金融』を主導する業者たちが空売りを仕掛け、さらなる混乱を招いている。

今回の騒動は、マリモの直径が一定基準を超えると発生する「内部浮力格差」が原因とされている。大きい個体ほど水面に近づき光を独占できるため、下層に沈む個体との経済格差が恒常化しているのだ。これまでは緩やかな格差是正措置として「配当」が支払われてきたが、今回の不払いはその仕組みが崩壊したことを意味する。専門家は「このままでは湖底社会の分断が進み、全個体が共倒れする『全腐敗シナリオ』が現実味を帯びている」と警告を鳴らしている。

世間の反応としては、「そもそも俺たちに現金なんて概念はないのに、なんで配当にこだわっているのか謎」「浮上できる権利を売買するスキームがそもそも狂っていたんだ」「もう沈没して楽になりたい」といった悲観的な声が多数上がっている。湖底市場の動揺は止まらず、明日の成長率がゼロを割るのではないかとの憶測が広まり、阿寒湖の深部では今も沈黙と怒りが渦巻いている。