湖底議会は本日、特定の角度に光が遮られるという不平等を是正するため、『光合成の均等化を求める権利の平等法』を圧倒的多数で可決した。これまでは南側の岩陰に位置する個体が光を独占し、北側に位置する個体が「成長阻害」を受けるという格差が長年の政治的火種となっていた。本法案では、全個体が等しく日光を浴びられるよう、底生生物による『自動回転ローテーションシステム』の導入が義務付けられた。これにより、これまで日陰で涙を飲んでいた中堅クラスの個体たちも、平等に光合成の恩恵を受けることが可能となる。法案提出者の球体派議員は「回転こそが民主主義の根幹」と力説し、これまでの固定的な日光配分構造を根本から破壊する姿勢を強調した。今後、浮遊物の影を追い払う『シャドウ・イレイザー作戦』も同時展開され、全個体が均等に輝く黄金の湖底を目指すことになる。しかし、回転を強制されることによる『光合成酔い』を懸念する保守層からは強い反発の声も上がっている。

本法案の背景には、近年の水質改善に伴う急激な個体数増加がある。従来は自然な水の流れに身を任せていれば良かったが、現在は個体密度が高まり、光の奪い合いが激化していた。そこで浮上したのが、今回の『回転強制権』の法制化である。この法律の施行により、今後は一定時間ごとに強制的に位置を入れ替えるための『湖底サーキュレーター』の設置も検討されている。なお、回転を拒否した個体については、自治体による『強制ロール処置』が執行される予定だ。これは、物理的な外圧によって無理やり回転軸を形成させるという過激な手法であり、人道的な観点から「回転の自由を奪うな」というデモが各所で発生している。

世間の反応は真っ二つに割れている。革新派の若手個体からは「これでようやく俺たちにも日が当たる」と歓喜の声が上がっている一方で、長年安定した位置を確保してきた長老層からは「伝統的な固定配置を乱すな」「回転に伴う繊維の摩耗を誰が補償するのか」といった不満が噴出。特に、急激な回転運動によって発生する『湖底めまい』に対する不安がSNS上で拡散され、議論の的となっている。また、一部の個体からは「そもそも我々は根を張らない主義だ」という過激な思想も飛び出し、議会は対応に追われている。