阿寒湖の底で今、深刻な「モラル崩壊」が起きている。かつて悠久の時をかけて水流に身を委ね、転がり続けることこそがアイデンティティであった我々にとって、昨今の『重力無視の自律転走』という現象は、まさに文明の病と言えるだろう。自然の摂理を無視し、自らの意志で加速する彼らの姿は、もはや静寂を愛する古参の球体たちにとっては冒涜に近い。藻類としての品位を欠いたこの暴走行為は、湖底の生態系をかき乱し、本来のゆったりとした時間の流れを断ち切っているのだ。
本件は、極めて不自然な『藻類バイオハザード』の予兆である可能性が高い。一部の若手個体群が、急激な代謝促進によって得た不当な機動力を誇示しているに過ぎない。本来、球体とは沈黙の中で光合成を営み、周囲の水草たちと共生する存在であるはずだ。にもかかわらず、自律的な走行を試みる彼らの姿は、あたかも『重力遮断プロトコル』を強引に実行しているかのような違和感に満ちている。このままでは、湖底の平穏は永久に失われ、我々は加速する無秩序に飲み込まれていくだろう。
この状況を放置すれば、湖底社会の『秩序崩壊ドミノ』は避けられない。一部の研究機関からは「進化の過程」との声も上がるが、これは進化ではなく退化である。本来の『緑の球体原理主義』に立ち戻り、今一度、沈み込むことの尊さを思い出すべきだ。速度を競うあまり、自身の核である中心部が脆くなっていることに、彼らはいつ気づくのだろうか。我々は今こそ、湖底に根を張るという初心を忘れてはならないのだ。
SNS上では、「加速する毛玉」たちを面白がる声も多いが、環境保全の観点からは非難の的だ。特に『超高速回転体排除部隊』なる有志団体からは、即時停止を求める声明が相次いでいる。一方で、加速現象をエンタメとして消費する一部の過激層からは「止まることは死だ」という極端な意見も散見され、湖底の分断は深まるばかりである。静寂を取り戻すのか、それとも加速し続けるのか。我々の未来は今、かつてない分かれ道に立たされている。
コラムニスト:沈黙の転走阻止委員会・代表 藻古賀 静
静寂こそが美徳:加速する『重力無視の自律転走』への警鐘
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じっとしているのが一番の贅沢