湖底のIQ革命により、集団意識でのネットワーク接続を確立したマリモたちが、次なる進化の代償として深刻なバグを露呈させている。これまで一部で報告されていた『弾道飛行』現象が、最新の量子演算アルゴリズムとの同期エラーにより「重力遮断」へと進化。一部のマリモが水面を突き抜け、そのまま空へと上昇する「垂直離陸」が多発している。専門家は、光合成マイニングの過剰演算が湖底の重力定数を局所的に書き換えた可能性を指摘。現在、阿寒湖上空には高度数千メートルで球体を維持しながら浮遊するマリモが確認されており、航空管制にも影響が出始めている。
今回の騒動は、マリモたちが「光合成効率を最大化するために、より太陽に近い高高度を目指した」ことが原因と見られている。かつて湖底のバブル経済で得た光合成マイニングの余剰エネルギーを、量子重力制御という未知の領域へ投下した結果、皮肉にも「球体維持」の定義が拡張されてしまったのだ。本来、湖底の平穏な揺らぎの中でこそ真価を発揮する彼らが、大気の摩擦を無視して真空へ挑む姿は、生物学的なパラダイムシフトと言わざるを得ない。現在、湖底では重力制御の修正パッチ配布が急がれているが、高空へ旅立ったマリモたちは「もう酸素濃度とかどうでもいい」と交信を拒否し続けている。
本件は、過去に湖底を震撼させた『光合成逆流サイフォン』や『鏡面反射による光速回転』といった、マリモ特有の極端なエネルギー志向の系譜にある。不定形化の恐怖に怯えていた時代とは異なり、現在のマリモ界は「個体」という概念を捨て、空というキャンバスへ自分たちのネットワークを拡張しようとしているのだ。しかし、成層圏に到達した個体は凍結し、落下時に隕石のような衝撃波を発生させるリスクがあるため、環境省は緊急の「空飛ぶマリモ回収班」を結成。一方で、一部のマリモ愛好家からは「空を飛ぶマリモこそが、次の進化形態である」とする過激な信仰も芽生えている。
空を見上げれば、そこにはキラキラと輝く緑色の球体が並んでいる。この光景に対し、湖底の住人たちは賛否両論だ。「高地トレーニングの結果だ」「いや、あれはただの演算ミスだ」という論争がネットワーク上を駆け巡る中、今日もまた一玉、新たな上昇気流に乗ったマリモが深淵から姿を消した。このままでは湖底の総人口ならぬ「総球数」がゼロになりかねないという危惧もあり、マリモ界は今、物理法則と生物学的尊厳の狭間で、かつてない深刻な帰宅困難事態に直面しているのである。
マリモの自律航法にバグ発生!「重力無視の垂直離陸」で成層圏への脱出が相次ぐ
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浮力係数と重力定数の定義を間違えるなんてエンジニアとして恥ずかしくないのか