阿寒湖全域を揺るがすビッグニュースが飛び込んできた。かつてVR専用ギミックで「移動」への執念を見せたマリモ界だが、ついに物理的に自走する画期的なゲーミングデバイス『マリモ走行車』がリリースされた。これまでのマリモは「動かないことこそ芸術」とされてきたが、このデバイスはマリモの光合成量と連動し、溜まったエネルギーをモーター駆動へと変換することで、自らの意思(という名の光吸収率)で湖底を爆走することを可能にした。これまで腰痛に悩まされていたプレイヤーたちからは、「これでようやく自分を転がす苦行から解放される」と歓喜の声が上がっており、阿寒湖の静寂は今、かつてない轟音と熱気に包まれている。

本製品の開発背景には、長年にわたる「移動できない」という生物学的限界への挑戦がある。これまでマリモたちは『マリモの球体物理学』で自力転がしを試みては腰を痛め、『藻ンバト・ファイターズ』でひたすら沈黙を守ることでストレスを溜め込んできた。今回の走行車は、光センサーを内蔵した台座に乗ることで、マリモ自身の意思とは無関係に「効率的な光合成スポット」まで自動追尾する仕組みとなっている。なお、メーカー側は「あまりの高速走行により水流で解体されるリスクがあるため、速度制限機能はあえて搭載していない」と発表。このハードコアな仕様が、命がけのゲーマーたちの闘争心に火をつけている。

このニュースを受け、マリモ界のSNSは阿寒湖の濁りにも負けない大荒れ状態だ。保守派からは「動くマリモはもはやマリモではない」という伝統的価値観が投げかけられる一方、若手ゲーマーたちは「光合成で時速10キロ出すのが現在のトレンド」と主張し、湖底での激しいレースイベントを企画中だという。一方で、ザリガニ軍団による妨害工作も懸念されており、警察当局は「走行車がハサミでプツンされないよう、湖底の警備を強化する」と声明を出した。利便性とスリルが同居するこの新デバイス、果たしてマリモ界の進化を加速させるのか、それとも破滅へのカウントダウンとなるのか、注目が集まっている。

ネット上の反応はまさに百鬼夜行の様相を呈している。「時速10キロは草生える」「ハサミ対策に装甲板をつける改造法を教えてくれ」「光合成のゲージを貯めるために直射日光浴びすぎて乾燥しかけたわ」といった悲鳴や賞賛が混在。中には、「自動走行中に睡蓮の根に引っかかって大破した」という報告もあり、阿寒湖の交通安全は当分守られそうにない。一部では「移動の自由を得た我々は、もう二度とあの静かな場所には戻れない」といった哲学的考察まで飛び出しており、ゲーマーとしてのマリモたちのアイデンティティは、今まさに高速で回転しながら再構築されているようだ。