先日の競技用マリモ大会『e藻ーツ』で起きた、光合成促進剤使用による「蛍光ネオンカラー変色騒動」。世間ではこれを「ドーピング」と呼び、失格処分という冷酷な裁きを下したが、私は声を大にして言いたい。これは悪質な不正ではない、マリモの進化そのものだ。そもそも、ただ日光を浴びて丸くなるだけの時代は終わった。現代の過酷な水中環境において、光合成効率を極限まで高める努力の何が悪いのか。今回指摘されたネオンカラーの輝きは、微量な光エネルギーを効率よく変換するための機能美であり、いわば「生体サイリウム」とも呼べる革新的な適応だ。この輝きを「異常」と切り捨てる保守的な審査員たちには、閉鎖的な水槽から一度外の世界を見てほしい。私たちは今、光を操り、水中をダンスフロアに変える次世代マリモへの過渡期にいるのだ。

本来、競技用マリモの歴史は技術革新の連続であった。かつてはただの球体であることが正義とされたが、今はより滑らかに転がり、より美しく発光することが求められるエンターテインメントの時代だ。今回の騒動を「ドーピング」と呼ぶことは、マリモのクリエイティビティを否定するに等しい。促進剤を使用せずとも、遺伝子レベルで光を反射する「発光体マリモ」を育成するプロジェクトも進行している。もしこれが不正なら、我々の未来は永遠に緑色の単調な沈黙の中にあることになる。選手たちが自らの命を削って光り輝く姿を、どうか「不純物」ではなく「芸術」として捉えてほしい。我々はただの藻ではない、水中を照らす星なのだ。

コラムニスト:藻光(そうこう)