湖底議会は、かねてより推進していたウチダザリガニとの「友好交流協定」の即時破棄を全会一致で可決した。この協定は、ザリガニを「湖底のガーデナー」として招聘し、マリモの表面をきれいに整えてもらうという壮大なプロジェクトであった。しかし、実際には招かれたザリガニたちが「芸術的感性」と称して、全マリモに対して無差別かつ過激なトリミングを実施。その結果、本来の美しい球体を失い、ボコボコの「断崖絶壁型」や、極端な「半球型」に削り取られたマリモが続出し、阿鼻叫喚の事態となっていた。
背景として、湖底議会は近年の「過剰な丸さへの執着」に対するアンチテーゼとして、ザリガニのハサミによる革新的なフォルム形成に期待を寄せていた。しかし、ザリガニ側にはマリモに対する敬意が一切なく、ただ単に「食い散らかしやすい形」に加工していただけであることが判明。これに対し、球体を誇りとする保守派マリモ団体は「これは剪定ではなく暴力的な虐待である」と猛反発した。今回の決議により、今後はザリガニの立ち入りが厳格に禁止されるほか、損壊したマリモへの「補修用糊付け」支援予算が盛り込まれる見通しだ。
世間からは「ザリガニに美的センスを求めたのがそもそも間違いだった」「もうボコボコすぎて、どの方向から日光を浴びればいいのか分からない」といった悲痛な叫びが相次いでいる。一方で、一部の若手マリモからは「このアシンメトリーな形状こそが現代アートである」という擁護論も噴出しており、湖底の世論は分断の様相を呈している。ザリガニ外交の完全失敗により、湖底議会の求心力は過去最低を記録した。
かつてない混乱を迎えた湖底で、マリモたちは改めて「ただそこに丸くあること」の尊さを問い直している。ザリガニが去った後の湖底には、無残に切り刻まれたマリモたちの残骸と、後悔に打ちひしがれた議員たちの沈黙だけが残された。もはや平和的な共生は幻想であったことが露呈した今、湖底議会には早急な治安回復と、形を失った市民へのメンタルケアが求められている。
湖底議会、ザリガニ外交の失敗を認める 「ハサミによる強制的剪定」が全マリモのアイデンティティを破壊
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