湖底スポーツ界において、近年急速に競技人口を拡大している「マリモ・カーリング」の地方予選にて、衝撃の光景が目撃された。通常、この競技は滑らかな湖底を転がるマリモの軌道と、それを制御するチームワークを競うものだが、今大会に出場した新人チームが、自らの毛並みを意図的に逆立てることで「空気抵抗ならぬ水流抵抗」を極限まで高める新戦法『逆毛・急ブレーキ』を披露したのだ。これにより、時速0.5ミリで転がっていたマリモが、重力と水流を無視したかのようにその場で停止、さらにそこから摩擦係数を逆手に取った『毛並み変形・バウンド走法』へ移行し、完璧なホールインワンを決めた。対戦相手の古参マリモたちは、あまりの理不尽な挙動に「それは転がっていない、飛んでいる」と猛抗議。審判団も「転がりの定義を再定義する必要がある」と頭を抱える事態となっている。

本競技は、元々「いかに摩擦を減らして遠くまで転がるか」を至上命題としてきた。しかし、今回出現した『逆毛・急ブレーキ』は、マリモ特有の繊維質を毛羽立たせることで、湖底のヘドロを「アンカー」として利用するという、いわば邪道かつ革命的な発想に基づいている。開発チームのリーダーである個体は「これまで滑りやすさばかりを追求してきたが、あえて引っかかることで逆にコントロールの自由度が増した」と語る。これに対し、従来のカーリング派からは「マリモとしての矜持がない」「ただの毛玉の暴走」との批判が絶えない。今後は「毛並みの整え方」に関するレギュレーションの策定が急務となっており、湖底競技委員会は来月の理事会で緊急審議を行う予定だ。

この件は、界隈の若手マリモたちの間で「令和のイノベーション」として熱狂的に支持されている。一方で、保守的な高齢マリモたちからは「湖底の美学が損なわれる」との懸念も根強い。事実、今回の一件で、滑りやすい特殊な苔を表面に塗布する「ドーピング疑惑」まで浮上しており、さらなる混乱は避けられそうにない。スポーツの進化がどこまで許されるのか、マリモ界は今、大きな転換期を迎えている。

SNS上では「理屈が滅茶苦茶で草」「これぞ新時代の戦術」といったポジティブな意見から、「マリモは静かに転がってこそ」「物理法則を無視するのはスポーツではない」といった厳しい声まで飛び交っている。審判の判定を巡って激しい口論が繰り広げられた会場では、一部の観客が興奮のあまり光合成を早め、周囲を酸素濃度過多にするというハプニングまで発生した。