[古典物理学] 運動の3法則と運動方程式

By | 2017年7月23日

古典物理学の力学(ニュートン力学)には3つの法則があります。

物体に働く力、力学

この中には、物体の加速度と力の関係を記述する重要な式である運動方程式に関わる法則もあります。

今回は、この運動の3法則について紹介します。

慣性の法則(運動の第1法則)

運動の第1法則は「慣性の法則」と呼ばれ、以下のような法則です。

物体に力が働かない場合、もしくは働く力の合計が0であるとき、静止している物体は静止し続け、運動している物体はそのまま等速度運動を続ける。

例えば、摩擦が全く働かない平面上で物体を滑らせた場合、他の力を加えなければ、その物体は永遠に滑り続けます。星の重力を無視した場合の宇宙空間では、物体は静止することなく運動し続けます。

慣性の法則が成立する座標系を慣性系(静止系)と呼びます。

逆に、慣性の法則が成り立たない座標系を非慣性系と呼びますが、具体的には、乗り物やエレベーターなどの動くものに乗っている人から物体の動きを見る場合などです。

ある物体の動きと同じ速度で移動する場所からその物体を見た場合、物体は動いていないように見えます。とはいえ、相対的な動きを考慮しなければならないというだけで、実際の物理的運動が変化するわけではありません。見かけ上、慣性の法則が成り立っていないように見えるということです。

運動方程式(運動の第2法則)

運動の第2法則は、物体の質量とそれにかかる力、およびその力によって物体に与えられる加速度の関係を表す法則です。

物体に力 $\boldsymbol{F}$ が働くとき、物体にはその力の向きに加速度が生じる。その加速度 $\boldsymbol{a}$ は、その力 $\boldsymbol{F} $ に比例し、その物体の質量 $m$ に反比例する。力の単位がニュートン($N = m \cdot kg/s^{2}$)であれば、以下の式が成り立つ。

$$\boldsymbol{a} = \frac{\boldsymbol{F}}{m}$$

この式を変形すると、以下のようにも書ける。

$$m\boldsymbol{a} = \boldsymbol{F}\tag{1}$$

加速度 $\boldsymbol{a}$ と物体に働く力 $\boldsymbol{F}$ は、方向と大きさを持つ量(ベクトル)ですので太字で表記しています。

加速度については、以下の記事をご覧ください。

[古典物理学] 速度と加速度の違い

ある時点での加速度 $\boldsymbol{a}$ は、その時点での速度 $\boldsymbol{v}$ の微分(微小時間における速度の変化量)ですので、上記の式は以下のようにも表記できます。

$$m\frac{d\boldsymbol{v}}{dt} = \boldsymbol{F}$$

式(1)および式(2)のことを「運動方程式」と呼びます。ある質量を持つ物体に力を加えた時に、どれだけの加速度が生じるかを記述する重要な式です。

質量と速度の積である運動量にも関わります(運動量に関しては別の記事でまとめる予定です)。

作用・反作用の法則(運動の第3法則)

作用・反作用の法則は、ある物体に力を加えた場合、それを押し返す逆向きで同じ大きさの力が働くという法則です。

ある物体Aから別の物体Bに力が働いている時、物体Bからも物体Aに同じ力が働いている。これらの力は一直線上であり、互いに真逆向きで同じ大きさである。

例えば、地面の上に立っている人は、その人にかかる重力によって生じる下向きの力が地面に働いています。それと同時に、地面も人を押し返す上向きの力を人に及ぼしています。硬いものを手で力いっぱい叩くと、手が怪我するのも反作用による力が手にかかるからと言えます。

これは磁気力にも成り立ちます。つまり、磁石のS極とN極の反発もこの法則に従います。

この作用・反作用の法則は、運動量保存則の基礎となる法則です。

おしまい

以上、力学の基礎となる3つの古典物理学の法則でした。これらは、力学以外の物理学分野を考える上でも必要となる基礎概念です。

これらの法則が常に成り立っているということを念頭に置いておく必要があります。

参考: 森北出版株式会社 為近和彦 力学

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