柑橘類に含まれる健康成分「ノビレチン」と陳皮の効果

様々な柑橘類のスライス

冬はコタツにミカンと言われますが、ミカンなどの柑橘類の果物には様々な健康増進効果のある成分が含まれていることが確認されています。

有名なものは、免疫力を高めてくれるビタミンCですが、その他にもヘスペリジンβ‐クリプトキサンチンノビレチンなどがあります。

これらの成分は果実だけではなく、その皮にも豊富に含まれていることが判明しています。

昔から柑橘類の皮を乾かした「陳皮」と呼ばれるものが漢方として用いられてきたことを考えると、それは柑橘類の皮に健康成分が含まれているという証拠と言えます。

実際に、ミカンの皮入りヨーグルトなどが開発されています。

今回は、柑橘類に含まれる成分のひとつである「ノビレチン」について詳しく紹介します。

ノビレチンとは

柑橘類の果実や皮(果皮)に多く含まれる成分です。フラボノイドと呼ばれる植物の色素であり、ポリフェノールのひとつでもあります。

C21H22O8

ノビレチンの化学構造

柑橘類の中でも、特にシークワーサーに多いことがわかっています。

柑橘名 100gあたりに含まれるノビレチン(mg)
温州ミカン 24
カボス 89
ポンカン 127
シークワーサー 267

出典: ノビレチンとは┃抗認知症機能性食品開発部門┃東北大学

ノビレチンが豊富なシークワーサー

確認されているノビレチンの効果

ノビレチンはアルツハイマー病などの認知症の予防・改善効果が様々な記憶学習障害を持つマウスにおける実験で確認されています。

当研究室では、培養神経細胞および6種類の学習記憶障害モデル動物を用いて、ノビレチンの効果を検証。「有効である」とのエビデンス(科学的証拠)を得ることができました。
神経細胞のモデルとして汎用されるPC12D細胞(ラット副腎髄質細胞)にノビレチンを処理したところ、神経細胞突起伸展作用が発見されました。また、ノビレチン処理により突起伸展作用に重要な役割を果たすシグナル細胞情報伝達分子であるERKやCREBが活性化することも見いだされました。これらの細胞情報伝達分子はアルツハイマー病などの認知症における記憶障害の改善に重要であるということが知られているため、ノビレチンは記憶障害改善作用を持つことが示唆されました。
ノビレチンとは┃抗認知症機能性食品開発部門┃東北大学

人間のアルツハイマー病の遺伝子を持つマウスにも同様の効果が確認されています。

アルツハイマー病の原因と言われる、アミロイドβと呼ばれるタンパク質の毒性に対する保護作用を持っているとされます。

ノビレチンは、次の7種類の記憶障害モデルマウス動物全てにおいて抗認知症作用を示した(Nakajima A., Ohizumi Y., Yamada K., Ciin. Phychopharmacol. Neurosci., 12, 75-82 (2014)。

1.急性アルツハイマー病モデルラット
2.慢性アルツハイマー病モデルマウス(アミロイド前駆体蛋白質トランスジェニックマウス)
3.コリン作動性神経変性を伴う嗅球摘出誘発性記憶障害モデルマウス
4.NMDA受容体遮断薬誘発性記憶障害モデルマウス
5.老化促進モデルマウス
6.パーキンソン病モデルマウス(認知機能障害)
7.総頸動脈結繋能虚血モデルマウス及びラット

例えば、ヒトのアルツハイマー病に最も類似していると考えられるヒトのアルツハイマー病患者の遺伝子を導入したマウス(Tgマウス)に対する、ノビレチンの抗アルツハイマー病効果を検討した。その結果、記憶障害が起きている起きているこのモデルマウスにノビレチンを投与すると、健全なマウスの記憶力のレベルまでに完全に回復するとともに、その病気の原因物質とされるAβ蛋白質の海馬における蓄積量が顕著に減少するという極めて興味深い事実を発見した(図2)。
大泉研究室「アルツハイマー病等の認知症の予防・治療確立をめざして」 – 研究・社会貢献 – 東北福祉大学 [Tohoku Fukushi University]

がんに対する効果

ノビレチンには、様々な種類のがんの細胞増殖を抑える効果が確認されていました。

近年、ノビレチンによる抗がん作用のメカニズムが判明したものもあります。

ノビレチンは数種のヒト癌に対して抗がん効果が示されているが、ホルモン受容体および HER2 状態の異なる乳癌細胞に対する阻害効果およびメカニズムは不明のままである。材料と方法:ホルモン受容体陽性 MCF-7、HER2 陽性の SK-BR-3、およびトリプルネガティブ MDA-MB-468 細胞株を使用し、ノビレチンの抗腫瘍メカニズムを検討した。

結論:このようなノビレチンによる MDA-MB-468 細胞に最も強い抗腫瘍効果から、ノビレチンはトリプルネガティブ乳がんに対し、潜在的な予防効果を果たす役割が示唆される。
ノビレチンによる乳癌細胞増殖抑制およびアポトーシス誘導作用の機序解析

果実だけではなく、果皮にも多く含まれていることが証明されています。

柑橘には、フラボノイドと総称される機能性成分が多く含まれています。代表的なのは、抗アレルギー作用や発がん抑制作用があるとされるヘスペリジン。
ノビレチンも、発がん抑制や糖尿病予防に効果が認められている機能性成分のひとつです。
このような生理活性物質は、実は果皮にこそ多く含まれていて、他にもさまざまな機能性成分が果皮に多く含まれていることがわかっています。
和田浩二先生(琉球大学農学部)研究担当者インタビュー – okinawan-kankitsu Jimdoページ

おしまい

ミカンの果実についている白い筋に栄養があることは有名になりつつありましたが、皮そのものにも健康成分が含まれていることが明らかになりました。

皮から種までを利用した製品も開発されているようです。

参考

ミカンの機能性成分や色素についての研究展示

柑橘類果皮成分ノビレチンを買う朝した抗認知機能性食品の開発研究

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