茶に含まれるカテキンの代表 エピガロカテキンガレートの効果

最終更新日時 : 2017年1月9日
カテキン豊富な緑茶

一年以内に発表された最新の研究論文から、お茶に含まれる代表的なカテキンであるエピガロカテキンガレートについて確認されている健康への影響について紹介します。

カテキンとエピガロカテキンガレートについて

カテキンは、いわゆる茶ポリフェノールのことです。

特に緑茶に含まれるポリフェノールです。

これには、抗酸化作用や抗がん作用、血糖の増加や肥満の予防効果などが報告されています。

カテキンにも種類があり、その中でもエピガロカテキンガレートEGCG)には強い健康促進効果が報告されてきました。

エピガロカテキンガレートの化学構造

代表的な茶カテキンには、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECG)、およびエピガロカテキンガレート(EGCG)があり(図1)、一般的な緑茶葉においては、最も生理的活性効果が高いと考えられている EGCG が 5~10%と約半分を占め、EGC、ECG、ECの順に少なくなる(富田 2013)。
緑茶カテキンの細胞増殖抑制効果 – Tokaigakuen University Repository

一方で、カテキンの大量摂取によって起こる有害な影響なども報告されています。

一方、高濃度・高容量の摂取によって胆汁うっ滞、肝細胞傷害などの有害作用が生じること、肝臓および小腸に発現する種々のトランスポータの発現低下や輸送の阻害を起こすことが報告されている。
愛知学院大学薬学会誌 緑茶カテキン EGCG・薬物相互作用を修飾する、性差、投与経路、 および絶食の影響の解析

今回は、このエピガロカテキンガレートに関連する効果と、それを裏付ける研究結果についてまとめます。

がん細胞の増殖抑制効果

ラットの血管平滑筋細胞(A7r5)と、人間の前立腺がん細胞(PC3 と DU145)、人間の神経膠腫細胞(U87)に対してカテキン類の効果を検証する実験において、カテキン類がこれらの増殖を抑える効果を示すことが確認されました。

そして、全ての細胞に対してエピガロカテキンガレートの働きが最も強いことが確認されました。

実際、今回の in situ 実験において、血管平滑筋細胞の増殖を EGCG が顕著に抑制することが分かり、IC50は 30.3μmol/L であった。
このことは、動脈硬化の中でも頻度的に最も多い粥状動脈硬化における病態進展の過程で、中膜における平滑筋細胞の増殖を抑制する可能性を示唆している。

今回の実験においても、EGCG をはじめとしたカテキンが、ヒトがん細胞である PC3、DU145(前立腺がん由来細胞)やU87(グリオブラストーマ由来細胞)において顕著な細胞増殖抑制作用を示し、EGCG の前立腺がん細胞に対する IC50は 10~20μmol/L であった。
この値は、分化した細胞である A7r5 細胞に対する IC50より小さく、がん細胞は分化した細胞よりも EGCG に感受性が高いという結果に一致した(伊勢村 2013)。
緑茶カテキンの細胞増殖抑制効果 – Tokaigakuen University Repository

以上の結果から、エピガロカテキンガレートには抗がん作用動脈硬化の予防効果があると言えます。

トランスポーターの阻害・吸収抑制

腎臓にある、アニオン性薬物に反応する Organic Anion Transporter(OAT)と呼ばれる、細胞内外で物質をやりとりする部位(トランスポーター)の働きを阻害する効果が、エピガロカテキンガレートには強いことが確認されました。

本研究では、腎臓に発現し多くのアニオン性薬物を基質とする薬物トランスポータであるOrganic AnionTransporter (OAT) に着目し、茶カテキン類がヒトOAT1(SLC22A6)およびOAT3 (SLC22A8) の輸送機能に及ぼす影響について、培養細胞とラットを用いて検討した。

6種の茶カテキン(カテキンC, エピカテキンEC, エピガロカテキンEGC, 没食子酸カテキンCg、 没食子酸エピカテキンECg、没食子酸エピガロカテキンEGCg)がin vitroレベルでヒトOATに及ぼす影響の検討を行った。
その結果、没食子酸エステル型のカテキン(Cg、 ECg、EGCg)がOATを阻害した。このうち、緑茶中最多のカテキンであるEGCgが最も強い阻害を示した。

つまり、過剰なカテキンの摂取は、特定の成分などの吸収率を下げたりする影響を体に及ぼすと言えます。

これ以外にも、カテキンがブドウ糖(グルコース)などの糖類の吸収を阻害することが報告されていました。

茶カテキンは、グルコーストランスポーターのグルコース輸送活性を阻害する。
ある種の茶カテキンは腸管内のアミラーゼやグルコシダーゼを阻害して糖質の消化を抑制することが報告されているが、消化によって生じる単糖類が腸管上皮細胞層を透過する輸送(吸収)のステップもカテキンによって阻害されることがこの結果から示唆された。
また、カテキンはある種のモノカルボン酸トランスポーター(MCT)を阻害することもみだされている。
東京大学大学院 農業生命科学研究科 腸管上皮機能と機能性食品

糖質の吸収効果は、肥満防止にはプラスな効果と言えます。

しかし、過剰摂取は必要な物質のやりとりを阻害してしまう可能性があります。

炎症を抑える効果

炎症の原因物質となるサイトカインや、痛みを起こすプラスタグランジンなどの発生を、抑制する効果が確認されています。

まず、血管周囲の基底膜を分解することにより血管新生を構築することが知られている matrix metalloprotease(MMP)の mRNA 発現量について検討したところ、カテキン類は VEGF 添加で亢進した MMP-14、MMP-2 の mRNA 発現量を抑制した。さらに、VEGF 刺激により炎症性サイトカインである interleukin-6(IL-6)、炎症促進作用をもつプラスタグランジン合成酵素である cyclooxygenase-2(COX-2)の発現が促進されたが、カテキン類の添加により抑制された。

以上のことよりカテキン類、特に EGCG は血管内皮細胞において、VEGF 刺激下における血管新生や血管炎症を抑制し、血管内皮機能調節作用を示す可能性が示唆された。
緑茶カテキン類の血管内皮機能調節作用及びLDL酸化抑制作用に関する研究

LDLの酸化を防止する効果

緑茶カテキン類の血管内皮機能調節作用及びLDL酸化抑制作用に関する研究によると、実際に人間に対するカテキンの投与実験によって、コレステロールを運ぶリポタンパク質のひとつであるLDLの酸化防止効果が確認されたと報告されています。

インフルエンザウイルスに対する予防効果

カテキンをはじめとした緑茶に含まれるポリフェノールに、インフルエンザウイルスの活動を抑制する効果があり、その感染を予防すると考えられます。

静岡が産地として有名な緑茶はかぜの予防に効果があることが知られています。かぜに代表されるインフルエンザウイルスに阻害効果を示す緑茶成分は、ポリフェノールの一種であるカテキンが広く知られています。当研究室では、カテキン以外の緑茶成分としてポリフェノールの一種である「ストリクチニン」が、インフルエンザウイルスやヒトパラインフルエンザウイルスに対して阻害効果を示すことを発見しています(図13)。
静岡県立大学薬学部・薬学研究院 本研究室の現在までの研究成果内容 -糖鎖科学を基盤とした感染症研究-

この効果は、以前から一貫して報告されてきていますので、確かなものではないかと考えられます。

緑茶によるインフルエンザの予防効果

エピガロカテキンガレートのその他の効果

直接食べ物と摂取した時の話ではありませんが、骨の形成に重要な骨芽細胞の分化や増殖を促進する効果があり、骨再生医療の生体素材などへの応用が期待されています。

ヒト脱分化脂肪細胞の骨芽細胞分化誘導にむけた in vitro での緑茶カテキンの応用

以上の他にも、様々な研究報告があります。

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